ハーレム高校の真実

鈴王

第1話入学

 「はーい。そこまでーーー」

 試験会場の試験官のその一声で長かった受験生活とは一旦疎遠になることになった。そうだ高校受験が終わったのだ。俺には合格した自信があったなぜなら、第一志望の高校よりも一ランク下の高校を受験したからである。だから中学の友達などには、余裕だったと言っていた。


 珍しく母親の節子せつこが階段をすごい勢いで駆け上がってきた。

「おーい、空ー、あなた高校合格してたわよー!」

「よっしゃぁぁぁ」

 俺は思わず声を出してしまった。自信はあったが実際に合格を目にすると嬉しかったのだ。

「おい、拓、俺、杉太刀すぎだち高校に合格したぞ」

 俺は嬉しくなってスマートフォンを手に取り親友の水面拓みなもたくにすぐに連絡をした。

「おめでとう。えー、杉太刀高校かー、いいなー」

 拓は男子校に通うことが決定していたので、男女比率が2対8である、杉太刀高校がうらやましかったのである。

「ってことで彼女いない歴=年齢っていう称号はお前に預けるわー」

「俺も近くの女子高に通ってる女子を捕まえてみせる」

「がんばれよ」

「おう」


 合格が発表された日から卒業式まで特に大したイベントもなく時が経過した。ところが卒業式終わった後に事件が起こった。それは、拓が俺たちの中学の中で1、2を争う美少女の姫谷光ひめやひかりに告白しOKを貰ってしまったのである。確かに拓は、運動もまあまあでき、頭もよく、顔もまあまあ良いが、性格はとても良い方とは言えないだろう。拓の性格の悪さといえば、部屋にゴキブリが10匹いるくらい最悪である。だから俺はどうして付き合えたか気になり連絡をした。

「拓、お前が光と付き合うとかまじ太陽が地球と衝突するぐらいないと思ってたのにすごいな。どうやって口説いたんだよ?」

「空、、、俺、、、実はな、、、恋愛マスターなんだよ。ww」

 拓はこういう冗談が大好きなのである。

「はー?もったいぶるなよー」

「いやー、本当のこと言うとな光はもともと俺のこと好きだったらしいんだよね」

「まじかよ!!!センスねーなww」

「まあ俺、勉強と運動両方できるしまあやっぱモテルとこしか見つからないやww」

 確かにそうだが自分で言うのかと心の中で思った。

「まあ、俺も高校入ったら彼女絶対作るもん!」

 正直うらやましかったが、俺の高校は男女比率2対8ということを俺は忘れていなかった。


 そして時は流れ、入学式当日となった俺は朝ワイシャツを着て、何度も練習したネクタイの巻き方でネクタイを締めた、制服のズボンを履き、ブレザーを羽織った。朝ごはんのパンとスープを頬張り、いつもとは違う通学路を自転車で飛ばして走った。新鮮だった。春山はるやま家と高校までの通学時間は自転車で約25分遠いようで近い距離だ。校門についたらクラスが校門付近にある掲示板に掲示されておりそれにたくさんの新入生が群がっていた。

「私3組だったー、そっちはどーー?」

「私1組」

 どうやら同じ中学から来た人たちのようだ。俺には同じ中学の友達はいないので少し友達作りの出遅れを感じた。俺は自転車を自転車置き場に止めてクラスを確認した、6組だった。担任の先生は尼崎新あまさきあらた先生だった。

 俺は集合時間の20分前に来たのでクラスには何人しか人がいなかった。席は真ん中の列の後ろの方だった。

「おはよ。春山君40人中10人しかいない男子なんだし仲良くしよーぜ。俺のことは優って呼んでくれ。よろしくな」

 俺が席に着いたと同時に、前の席の富岡優とみかゆうが急に話しかけてきた。正直チャラそうだけど話しかけてくれて嬉しかった。

「優君よろしくー、そうだね、男子はやっぱ少ないよなー」

 ちょっと軽い感じで話してみた。

「絶対少ないよなー、あ、連絡先交換しよーぜ」

「いいよ」

 そんなこんなで、俺は高校生活初めての連絡先を手に入れた。


 だんだん席が埋まり始めた。本当にクラスに女子と俺だけなんじゃないかと錯覚させられるほど女子が圧倒的に多かった。しかも美人や可愛い女子ばかり、俺の頭の中はピンク色一色に染まっていた。そして俺の斜め前の席に笹原真雪ささはらまゆきが来た、このレベルが高いクラスの中でも確実にトップの美しさだった。俺は見入ってしまった。


 やがて担任の先生が到着して体育館に向かった。

 向かっている途中、俺と優は笹原さんが可愛いという話で盛り上がった。体育館では吹奏学部の演奏で出迎えられた。その曲の完成度に俺はすごい驚いた。俺らは最後のクラスだったので、着席すると演奏は鳴りやんだ。その後、校長先生からの話と校歌を一回聴き、記念写真を撮って、教室に戻った。


 教室に戻った後、次の日の予定を告げられた。

「明日は、自己紹介、係決め、委員会決め、席替えをするぞー、遅刻しないように。気を付け、礼」

「さようなら」


 こうして高校生活一日目が終わった。





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