アルベルツ・エニグマ

翡翠

プロローグ

「君は天才だ」「人間離れしている」「神童の再来」…これらは全て才能ある者につけられた謂わば称号のようなものである。誰しもがその才を欲しがり、憧れ、嫉妬する。

だが、偶々神からの贈り物を授かった者からしてみれば少し窮屈な思いをする事を強要される。特別扱いが苦しくなり自殺願望に走る事も少なからずある。結局の所、功利主義など机上の空論なのだ。


国立研究学園都市大学付属筑波高校。

ここには非凡な人間しかいない。謂わば才能のコロニーのようなものである。ここの卒業生の中にはタレントに研究者、スポーツ選手と多種多様な生き方をしている。無論進学校で進学率は95%を超している。しかしここに平凡な人間はいない。大体は奇人変人の集まりだ。平凡な人間ほど価値の無いものはない、そう白壁の校舎が物語っているようである。そしてこの学校に1人の入学生が入ってきた。皆は彼のことをこう呼ぶのだ。

"化け物"…と。


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