機械少女と世界を守り最強へ

天ノ黒月

0話 エピローグ 前半

 俺は魔法が使える。しかし、この世界では魔法を使えるものは異端者だ。研究所に連れていかれたり、メディアの見世物になったりするだろう。俺はひそかに魔法を鍛えてきた。しかし、鍛える方法がわからない。完全な独学だ


「この空間なら誰も入ってこないだろう」

 ここは俺が創った空間だ。昔は人が入れないほど小さかったが今では水平線が見えるほど広い。

「今日は鉄の生成をしてみるか」

 空気から鉄を作り出す生成魔法だ。これはとても高度なものだ。原子構造を丸ごと作り変えてしまうので失敗すれば何が起こるかわからない。

そんなとき、「ピキッ」っと亀裂が入るような音がした。それは俺が今までで一度も聞いたことない音だ。一つ分かることは空間に亀裂が入った。俺の力不足ではない。以前は一瞬で崩壊してしまうからだ。

「これはまずい…」

 本能がそう俺に小さな声でつぶやいた。

 そんな俺の目の前に現れたのはモンスター形をなしていない。体が魔力でできている。近くにいるだけで魔力が吸われてしまいそうなほどの力を持っていた。

 俺は火を放つ、水を放つ、風を放つ、光を放つ、闇を放つ。しかしどれも効かない。効果がない。

「うそだろ?」

 どの俺が知っている強力な魔法はすべて打ち尽くした。それでもなお倒せない。一つ分かることは俺より強い。逃げるか?いや、この空間が壊れてしまえば外に被害が出るかの性がある。そう思っていると、空間の支配権が奪われた。あのモンスターが奪ったのか?そう思っているとどこからか声が。

「君は時間を稼いでもらえる?」

 そう女性の声が聞こえた。俺はその声を信じるしか助かる道はなかった。俺は何度も防衛魔法を使った。俺は6つの魔法を同時に使えるが、それでも防衛魔法を展開するのがぎりぎりだ。

「ありがとう。これであのモンスターを倒せるよ」

 そう、彼女は言って魔力を吸い込み始めた。初めて見る魔法だ。それもしょうがない。俺が今まで見てきた中で魔力を持っているものは一人しかいなかった。しかし、そのもの事故で無くなってしまった。そう、俺は以前に事故に遭った。


俺が学校から帰っている途中信号が点滅して俺は急いで渡ろうとしてしまった。そうすると車がもうスピードで突っ込んできた。そのときに、死んだ。

…そう思ったが誰かが身代わりになったのだ。しかし、振り替えると誰もいないのだ。謎の女性に助けられたときに言われたのだ。

 なぜ、女性かわかるかって?それは女性の声が聞こえたからだ。

「魔法を磨いてください。×××様」

 そのときは魔法を信じることはできなかった。しかし、すぐあとにそれが真実だと知った。魔力の流れを感じることができたのだ。自然のすべてに魔力があったのだ。それが魔力だとわかったので、俺は、その力を磨き続けた。俺は使い今に至るのだ。


「ふぅ、疲れたー」

 さっきの美少女は白い翼で空を飛び、こちらに向かってきた。中学生だろうか?そのぐらいの見た目で金髪の髪に真っ白な羽をはやしている。天使のような見た目だ。

「今の魔法はなんだ?」

「今の?あれは魔力の基礎中の基礎、吸引魔法だよ。ちょっと応用だけどね」

「吸引魔法ってなんだ?」

 俺が知っているものが全てではないと思っていたが、基礎魔法も知らなかったようだ。これでは、あの時の約束を果たすことができなくなってしまう。

「え?吸引魔法を知らないでどうやって魔法を使ってきたの?」

「体内にある魔力を使っているけど?」

「君が大魔法を使えない理由はそれだね」

 俺は今まで使ってきた魔法は大魔法だと思っていたが、まだまだ、知ることは多そうだ。

「どう言うことだ?」

「魔法は大気中の魔力使うのと体内の魔力を使う。の二つがあって、大魔法は基本的に大気中の魔力をつかうよ」

「ふーん。俺もそれを使えればもっと強くなるってわけね」

 吸引魔法か。これを知るだけでも強くなれそうだな。

「そういうこと。それじゃあ、君を私たちの世界に案内しよう。いいかな?」

「そっちの世界はどういった世界なんだ?」

「魔法があたりまえにあって、もっと魔法を学べると思うよ」

「よし、つれていってくれ」

「まあ、君に拒否権はないんだけどね」

「じゃあ、聞くなよ」

「一応、考えを聞かないとだめでしょ。それじゃあ、転移魔法で移動するね」

 俺の反応を見て彼女は楽しそうに笑っている。ところで、彼女の転移魔法、他人を乗せるほどの余裕があるのだろか?

「待ってくれ。俺の荷物は?」

「それは、君の空間収納の支配権を一時的に変更して容れといたよ」

「魔法って奪えるのか?」

 魔法を奪うという概念は俺にはなかった。何しろ、俺の周りには魔法を使える奴が存在しなかったからな。魔法を奪えば打たれる前に対処ができそうだ。

「理論上はすべての魔法が可能だよ。だけど、それを奪うことは本来、難しいのだよね。魔法を暗号化できるからね。それに、暗号されていなくても10分ぐらいの時間がかかってしまうからね」

「それって、必ず10分かかるのか?」

「いや、必ずってわけじゃないよ。ただ、私が知っている中の最速かな」

 これはスピードを上げていけば打たれる前に止められそうだな。

「ところで、君の名前は?」

「私は大天使のミルティル=レイ=アルベルト。よろしくね」

 彼女は名前を言い終えると魔法が展開し、俺はミルティルと新しい世界へと旅立った。

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