第24話 どうも世界が滅ぶらしいんだって。
「まず、何故あなた方をお呼びしたか説明せねばなるまい。……我ら魔神族は創世神よりたまわりし【予言】【予知見】の【SSランクスキル】を代表して族長が代々持っておる。使えるのは100年に一度きり。既にご存じじゃろうが……」
そこは温泉街や空挺便の中継地として活気を見せるレシャントラの地下に広がる――心臓の鼓動すらうるさいほどに静かで、どこまでも暗闇に満たされたカタコンベだった。ひんやりとした冷気が温泉で温まった体の骨までしみてくる。
「何を予知されたのですか」
ギルは端的に切り込んだ。
「……世界の滅びじゃ」とケムダーは重々しく、言った。「このゲヴィン大陸が海の中に沈む」
「でも、魔神族は人口を減らしたからもう戦争をしないんだろう?何で――」
Cが首を傾げた。ケムダーは更に重々しい顔をして、
「……理由は、全く分からぬ。だが創世神の御一柱よりその【予言】の際にお言葉を賜っての。いずれこの街に来るあなた方に、予知した未来を全て説明いたせ、と。それで、お待ちしておりました次第なのじゃ」
「……アイツらか。何を知っているんだ?だがそうだとしたら、どうして先にCやBに言わない?Cの記憶喪失は想定外としても……一体何があったんだ……」ギルがぶつぶつと何か言い出した。
「え」Cはただただ目を丸くしている。
「何か事情をご存じのようじゃな」ケムダーはほっとした顔をした。『世界の終末』という、言い出した方の正気が疑われるようなとんでもない話が頼みの相手に通じた、それだけでも一定の安心感はあるのだ。
「ちょ」と言いかけたCを遮ってギルが、
「ああ、俺は創世神達に会った事がある。余程の事情が無ければ創世神は人に関与しない。『異世界不干渉定義』がある。それを破ってまで関与してきた理由がこの世界の滅亡を阻止するためで、俺達に頼んできたのだとしたら、引き受けるしか無いな」
「待てよ!」Cが慌てて叫んだ。「何で勝手に引き受けているんだよ!」
「嫌か?」
「良いんだよ。でも、びっくりしたぞ」
「じゃあ気にするな」
「おう」
二人が肯いたのを見て、ケムダーや他の魔神も顔を見合わせて肯いた。
「では、我々魔神族も情報を集めますじゃ。何かありましたら、すぐに使い魔を飛ばしますゆえ」
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