ビッグゲームで野性を解放せよ！

和泉茉樹

都成勝利は唐突に、野性解放時間という限られた時間だけ、猫や犬、ウサギの動物の属性を宿して、ピースと呼ばれるアイテムを奪い合う、シーカーの争いに加わることになる。素人のシーカーである勝利は、同じ学校の「勇敢なるウサギ」とも呼ばれるシーカーの里依紗、二人だけでファミリーを組んでいるクラスメイトの美澄、深雪というシーカーたちに導かれる形で、シーカーによるピース争奪戦「ビッグゲーム」を戦うが、勝利はファミリーを渡り歩くことになる。病死した母の復活を目指してビッグゲームに参加する四人ともシーカーの鳳四姉妹のファミリー「明日羅」や、里依紗が所属する、競争には全く加わるつもりのないファミリー「サナトリウム」で、様々なシーカーやファミリーを見た勝利は、ゆっくりと成長しながら、一度は加入するも離脱することになった、美澄と深雪の二人だけのファミリー「ペーパーバッグ」に、改めて加入することになる。美澄との訓練や周囲からの助言もあり、技を磨いていく。力を持った勝利と美澄だが、そこで最強のファミリーである「アサイラム」のシーカーたちと対立することになる。ビッグゲームは個々のファミリー同士の争いだったはずが、「アサイラム」の動きはファミリー同士の同盟、支配や、全体を二つの陣営に大きく分けようとする意思の見える、大胆な行動だった。このビッグゲームの不文律を無視するような行動は、シーカーたちに、「ペーパーバッグ」につくか、「アサイラム」につくか、どちらかを選ぶような状態になる。しかしいくつかのファミリーと大勢のシーカーが、ペーパーバッグに味方する、もしくは中立を宣言し、「アサイラム」の発想は全体から拒絶され、ビッグゲームの原則は保たれ、ファミリーが大きな集団同士に二分される対立は回避される。勝利は力をつけ、美澄と組んで、大勢のシーカーとピースを奪い合う、ビッグゲームを戦っていく。