異星間交流
霜月 風雅
ルール1 ラムの立てた予定は絶対
俺には、恋人がいる。彼女は自分のことを違う星からきた宇宙人だと言うちょっと変わったところがある子だ。俺は、彼女のことが好きだし、彼女も俺のことを一応好きだと思う。
「・・・あ、俺、明日休み取れそうだから、前から行きたがってた猫カフェ行く?」
食事が終わってガチャガチャと食器を洗っている音を聞きながら、彼女に向けて尋ねる。
「んー?明日?もっと早く言ってよ。デートのお誘いは遅くて一週間前までって言ったじゃん。明日は、無理だよ。洗濯して布団を干さないと。」
なんの感情もないような声で彼女は、そう言った。
彼女、ラムには付き合う上でいくつかのルールがある。
俺、ボンドがそれを守りながら彼女と付き合っていくお話しである。
ラムちゃんのルールその1 ラムの立てた予定は絶対である。そのため、用事がある場合は、遅くても一週間前までに集合場所、時間、予定を提示しなくてはならない。突然、部屋に行っても、一日の予定が決まっているためあまり歓迎されないどころか、場合によっては無視される。でも、それは決して俺が嫌いなわけではない。たぶん。
「あー・・そうでした。それじゃあ、俺、一人で映画でも行ってくるか。」
「うん、いってらっしゃい。」
ラムちゃんは、至ってドライだ。
俺とラムちゃんが出会ったのは、大学の頃。昔からの友達、ましてや幼馴染ではない俺がラムを理解し、こうして恋人になるにはちょっと、いや、かなりの紆余曲折凸凹道があった。お互いに理解したり、理解できなかったり、絶望したり、期待したり。今でも、時々、すれ違ってしまうけど、だけど、俺たちは今日もこうして恋人しています。
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