第5話 くつした

がさがさ…



ごそごそ…



「…っあ゛ーー、もうっ!! ないっ!!」

「また片方無くしたの~?」



はぁ…



「色は似てるけどブランドが違うんだよね、こいつら…」

「ちゃんと畳まないからでしょ?」



むぅ…



「でもきのうの洗濯当番あんたじゃん」

「さ~?どこなんでしょうね~? アタシは知らな~いっ。あった洗濯物は全部ちゃんと畳みました~」



チラッ…



「さてはここに隠してるな!?」

「こらっ、スカートをのぞくなっ」



ゲシッ!!



げふっ…



「痛ってー…、座ってて隠せるとこってそこしかないじゃんかよー…」

「そもそも隠してないっつ~のっ」



うぐぐ…



「じゃあ、どこにあんのさー?」

「きのうの夜から思い出せばわかるんじゃない?」



えー…



「きのうの夜はー…、"アタシ明日の朝絶対するから、今日は寝させて!"って…、アンタ畳まなかったでしょー…?」

「あ~…、そうね…」



ペコリ…



「でー、結局朝も畳んでなくてー…。あたし急いでてー…。取り込んであったやつから急いで取って…、 あー…」

「…思い出した?」



………



「…えーと、…ごめんなさい。…あたし、今日違う靴下同士で仕事行きました。…ほら」

「…いえいえ、…こちらこそすみませんでした」

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