page.05 意志
『聞こえているか?
暴徒の
『向かう。人質を撃つな。我を見ろ』
そして、総隊長から、秘匿回線で隊に指示が飛ぶ。
『
「何を馬鹿な……!」
私は、屋上から乗り出して現場を見下ろす。
現場は屋根に隠れており、光学映像では何も見えない!
私は、堪えきれず屋上から飛び降りようとする。大丈夫、私の設計強度と運動性能なら無傷で降りられる。
しかし、今にも飛び降りようとする私を妨げる者があった。真っ赤な刃が、私の前に突き出されたのだ。
私と共に屋上で待機していた、ブレード型の試作機だ。
「お前、何してる?」
「決まっている。ジークフリート総隊長を助けにいく!」
「総隊長の命令が聞こえなかったのか!?」
「聞こえた。あれは誤った判断だ。敵に気づかれていない私たちに、彼は奇襲を指示するべきだった」
と、今度は私の
新型が2機も揃って、情けないことだ。
「……総隊長の覚悟が、わからないのか?」
「わかる。だが、救えるならば救うべきだ。たとえ大義とやらを危険に晒しても、
「……それで、お前の行動の結果、人間が死んだらどうする? 俺たちは……無能のそしりを受け、廃棄だ」
「そうだぞ! ジークフリート総隊長は、自ら犠牲となって
「ふん、それが本音か。お前たちは、総隊長が破壊されることよりも、棄てられるのが怖いんだろう」
「お前こそ、総隊長を見返そうと
私は
「この傷を証拠に、お前たちは私を止めようとしたと証言できるだろう。
突然の私の自傷行動に、後退する2機。彼らが臆病者で助かった。
「私は、ジークフリート総隊長を助けにいく。邪魔をするな」
そして私は、ビルの
『 両手をあげて、情けない姿だな、
無線によると、今まさに、総隊長が撃たれようとしている。はやく、はやく落ちろ。はやく、はやく!
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