第1章 ジークフリート隊の騎士人形
page.01 ウェイク・アップ
輸送トラックの揺れの中、私は扉が開くのを今か今かと待ちわびていた。
私は、テストを受けるために生まれたのではない。
トラックの揺れが、止まった。いよいよ到着したのだ。
扉が開き、灰色の量産型
到着したのは、キラキラと輝く
隊舎の中へ運び込まれ、私は埃ひとつない作業台に下ろされる。
量産型が、私の胸からケーブルに繋がったままの
チェックは問題なかったようだ。当然だ。どれだけメンテナンスされたと思っている。
量産型は、
そして輝く、私の
自律行動が許されたことで、私は作業台から起き上がる。自分の脚で立つ、その感触がたまらない。
視界には、この隊舎の地図が映る。そこには私の、向かうべき場所が示されていた。この隊舎で一番大きな演習場。そこへ迎えというサイン。
初めての命令だ。
「ここからは自分で歩いてくれ」
「言われなくても、そうする」
「……試作機って嫌いだ。どいつもこいつもプライドが高い」
量産型の言うことなど無視して、私は歩き出す。
歩きながら、ふと横を見る。光沢のある鏡のような隊舎の壁に、私の姿が映っている。
最新鋭の試作機であることを証明する、純白のボディ。悪党どもに
ようやく、自分が自分である実感が湧いてくる。私は発声器のチェックを行う。
「私の名前はハルジオン。誇り高き
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