虎と兎、相の棒、二人でプリキュ〇。
主人公が二人揃えばもうそれだけでドラマティック。
バディモノ。面白くない訳がない。しかもそれがファンタジーな異世界からやってきた自分ときたら、これはもう鉄板。
ポリスとナイトが力を合わせて難事件を解決――!!
しない!!(強調)
しないんだ!!(強調)
ただひたすら、世知辛いんだ!!(強調)
シニカル&ブラックジョークの宝石箱なんだ!!(強調)
なんかもう、ひたすらモーニーングツーでやってる、お兄さんたちの日常みたいに堂に入ったスローテンポなんだ!!
異世界にやってきて職質受けて。
洗濯失敗で異世界の服が縮んで。
ファッションセンスがださくって。
それでなくてもロン毛がださくって。
子供の頃の厨二ノートが酷くって。
流石に社会腐適合者が嫌でバイトしちゃって。
異世界に戻ったと思ったら速攻叩き返されて(酷いオチまでついて)。
けどすぐ「バイトいかなくちゃ」って社畜しちゃって。
この笑うに笑えぬブラックなネタの数々よ。
しかし、それがかえって疲れている人の心にしみる。
心に刺さる。
手心を、もっと、手心を加えてあげて!!
サツマさま(異世界の主人公)にもう少し、救いを与えてあげて!!
筆者さんの鋭い感性で繰り出される社畜あるあると世知辛さ。
キャラクターと設定の造り込みの深さ、確かな文章力がそこに相まって、ライトに読めてほっこり(ときにどっしり)楽しめる、キャラ文芸に仕上がってます。
うわぁ、世知辛い……と思わず人の不幸に笑みがこぼれる。
けれどもそれは確かな面白さの裏返し。
それがこの「ポリスとナイト」。
ナンセンスやブラックユーモアが好きな人にはたまらない。
そんな仕上がりとなっております。
そういうの好きな人には、是非にとおすすめの一作です。
さぁみんなも、ダメなロン毛(今は……)のサツマさまを応援しようぜ!!