第5話 魔物図鑑
魔物図鑑
『ウッドゴート』
空気中の魔力濃度が高い森などに生息するヤギのような姿をした魔物の一種。野生のヤギが魔力の多い場所で変質することで出現したと考えられる。数十頭の群れを作り森から森へと旅をする。
前歯が非常に硬く、木を削ることに特化しており樹木の皮や幹を削り食う。普段は大人しく攻撃性はないが攻撃すると頭の角から風魔法を放って攻撃してくる。時折大規模な群れを形成し森一つを植物一つ残らない平地にすることもあり、そういった意味では非常に危険な魔物である
肉はそこそこ美味。発達した前歯を木材を繋ぐ『ダボ』のようなものとして利用する地域もあるとか。魔物としての有用性は歯以外は通常のヤギと同じなので特筆すべきことはない。
『チェーンメイルリザード』
魔力濃度の高い沼地などに生息する1~4mほどのトカゲ型魔物。性格は温厚で、沼の底に生える水草や魚を餌としている。天敵もこれといっておらず魔法を使うなどもしないが、その巨体による突進、巨体を支える強靭な手足に生える鋭い爪、強力な咬筋力をもつ顎など、温厚と侮っていればただでは済まない。
非常に硬い鱗で全身を覆っており、並みの武器では傷をつけることすらできない。鱗をよく見ると一枚一枚に小さな穴が開いており、そこに空気を溜め込むことで水中での長時間の活動を可能としている。さらに軽量化の効果もあり、魔物自体の筋力も相まってスピードは非常に速い。
討伐依頼以外ではちょっかいをかけないのが一番である。
『チューブワーム』
砂漠に生息する体長1.5~2mほどにもなる巨大な幼虫型の魔物。完全変体(幼虫から蛹を経て成虫になること)はせず生涯幼虫型。餌は砂漠で死んだ動物の死骸などで、砂漠の掃除人である。肉を削る歯は無く、エサに消化液をかけドロドロに溶かしてから口吻で吸い取る。消化液ではあるものの死骸しか溶かせないという奇妙な特異性があり、砂漠の民は石鹸替わりに使うという。
普段は砂中で群れを作って大人しくしているが、エサがあるとあっという間に群がり食いつくしてしまう。砂漠の民の懲罰の一つにチューブワームの群れの中に罪人を放り込むという罰があり、チューブワーム自体は無害なもののそのあまりの嫌悪感に発狂する者もいるという。
『サンドシャーク』
砂漠に生息する2~7mほどの大型のサメの魔物。非常に凶暴な肉食の魔物で、砂の中を自在に泳ぎ回りエサに襲い掛かる。群れは作らず一匹で放浪しているが、繁殖期になると数十匹になる大きな群れを作り凶暴性が増すため非常に危険。弱点は水で、水が皮膚に浸透すると皮の強度が大幅に落ちるだけでなく動きも鈍る。
討伐方法としては、土魔法で自分たちの足場を固めて真下からの急襲を封じつつ、襲い掛かってきた瞬間に水魔法を使って動きを鈍らせ、近接でトドメを刺すのが定石。ただ巨体なため油断はできない
素材としては非常に優秀で、皮から作れる防具は水以外の属性に対する耐性が高く、また防御力も高い。牙はは武器に素材として使うと切れ味がよくなり刃の弾性が増す。
余談だが、サンドシャークの繁殖期は砂漠に大竜巻が発生すると言われ、サンドシャークが竜巻に乗って襲ってきたという眉唾な話がある。同時期に、8つの頭を持つサンドシャークや、頭から下が海の魔物『デビルオクトパス』というタコ型の魔物のように変化したものが目撃されたとも。
『ハードマジロ』
非常に強固な甲殻を持つ魔物。アルマジロのような姿をしており、どちらかというと哺乳類寄りの魔物。甲殻は非常に硬い上魔法耐性も高く、その弾性も相まってしばしば魔法使いが放った魔法が跳ね返ってくるという事象も起こっている。
素材としても非常に優秀で弾性の強い皮や甲殻だけでなく、爪も薬の材料になる。だがその分戦闘能力はかなり高く、体を丸めて風属性を纏い突進してきたり鋭い爪でひっかいてきたりと決して油断してはいけないタイプの魔物。
『インクブス』
第一級危険魔物。名前の似た夢魔のインキュバスとは全く別の種類で何の関連性もない。凶悪な肉食性の魔物で食欲に任せあらゆる動物を捕食する。
頭部の形から亀の魔物の一種ではないかという説があるが、亀に存在する甲羅は無く、丸太のように太い胴体に枯れ枝のように細く人間の腕のような足が3対6本。背中には蠢く黒い触手が大量に生え、胴体後部には尻尾はなく巨大な強酸性の粘液が詰まった肉の袋がぶよぶよとくっついている。
背中の触手は自由自在らしく、勢い良く伸ばして攻撃すると鉄の鎧すら貫通する。口から金属すら腐食させる白濁した粘液を吐き出し獲物の命を奪う。肉食性の魔物らしくその鋭い牙での噛みつきも強烈で、骨ごと獲物を捕食する。縦に切れ目の入ったそのおぞましい口の奥には、獲物の体液を吸い取るためのもう一つの口があるらしい。
ぶっちゃけコイツどう見てもチンk
▼手記は ここで 途切れて いる……
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