第39話 ザノ・ガーヴョルゲン

カルロー村に戻るとまず最初に目についたのが

 空飛ぶ骸骨竜が何か建物をつかんで村へと降下していたところね

 それにしても掴んでいるアレどこかで見たような気がするんだけどさ………

 そうよワーグハイゼンの幽霊屋敷じゃないのよ?


 村の中心に出来た広場にちょこんと座ってアレらを見ていたアーヴァインの方へと駆け寄る


「ちょっと〜アーヴァイン、アレは何よ?」


「アレはネロが召喚した骸骨竜スカルドラゴンだ」


 地上に降りると骸骨竜は家を置いてから手のひらにネロを乗せてアタシ達の所へと歩いてきた。

 なんだかすんごいビジュアルね?


「先生、あの家ってネロさん達がこっそり住んでた空き家ですよね?」


「そうよ。でもネロは何でここまで持ってきたの」


「実は家の中にある荷物を骸骨達と回収していたらリノエさんに声をかけられまして……

 どうも彼は近くの畑を復活させたいらしく

 ただ本人は工芸屋の仕事があるので手をつけられないそうなので畑仕事用にと数体レンタルをお願いされました。そのかわりといっては何ですがお礼ということで家ごといただいて来ました。」


 アラ、家ごともらってくるなんてスゴイわね

 お金も全くかかってないしナイスよネロ♪


「のうお主らよ、せっかくワシがおるので今からこの家を増やしてみたくはないかえ」


 家を増やす………またすんごいワードが出たわね〜

 でもこの婆さんなら可能なのよね

 アタシはメアリーに視線を送ると彼女はコクコクとうなづいた。


「ふむ、ここは複製魔法クローンじゃろう?」


 魔女っ子婆さんがコンコンっと杖を叩くと彼女の足元から何重にも連なる魔法陣が形成されて何と幽霊屋敷と同じ家がドンドンコピーされていった。

 アラ、あっという間に数軒家が建っちゃったわ

 いいじゃないのよ〜

 もうこうなったら家電とか? さらに広い風呂場とかも欲しいのよね〜


「メアリーちゃん良かったわね。

 家が沢山たったわよ〜」


「それよりも先生アレって」


 何かしらメアリーが指差す方を見ると誰かが山へ入ろうとしているのが見えた。

 さっき名付けした2匹じゃないのさ? しかもそれぞれ剣とバックラーを装備しているようね、一体どこへ行こうとしているのかしら?


「そうよあの2人よ、メアリーちゃん!」


「ハイ、いきましょう!」


 アタシはメアリーを乗せてあの子たちの所へズキュンと飛んだ。 けっこうな速度なんだけど後ろから魔女っ子婆さん、そしてアーヴァインが骸骨馬に乗ってついて来ているじゃない。

 婆さんはともかくアーヴァインさすがね!


「ちょっとアンタ達ストップよー!」


 突然、2人はアタシ達に、攻撃して来た。

しかもそのスピードが尋常じゃない速さだった。

この2人に出来る動きじゃない?


大津波魔法タイダルウェイブ


「させん魔法無効化マジックキャンセル


魔女っ子婆さんが魔法を唱えると向こうが生み出した津波はサァッと消えていった。


「全く悪趣味じゃのうサッサと姿を見せんかい」


2人はパタッと前のめりに倒れると地面から少しずつ闇が集まっていき、それは形を少しずつ形成していくそう……アタシが知っている姿に


「やっぱりアンタ…インチキ神だったのね」


「何故……だ、なぜ勇者を滅ぼそうとしないのだ?

我はキサマに……チカラを与えてやったハズだ

それとも神を裏切るというのか……」


そうよコイツはいつもアタシの頭の中で囁いてきたり夢に出て来る奴よ、勇者を滅ぼせってね!



大地震魔法アースクエイク



「させん言っておるじゃろう魔法無効化マジックキャンセル


「コイツは貴様の敵で間違いないんだな?」


「先生、そうですよね!」


「そうよ、みんなでやっつけるわよ」


 魔女っ子婆さんは上級解析魔法を使って相手のステータスを強引に開いて見せた。


 ステータスオープン!


———————————————————————


 ザノ・ガーヴョルゲン


 種族 上級天使


 クラス 魔法使いLv380


 HP18390 MP25193 SP9270

攻撃7250 守り9240 速さ15060


 スキル

 初級魔法Lv9、中級魔法Lv9、上級魔法Lv9、

 聖剣技Lv9、神経強化Lv9、危機感知Lv9、

状態異常耐性Lv9 、魔術Lv9、

 

 装備

 天使のローブ

加護:白光の神々の加護

進化:条件を満たしていません


——————————————————————


「何よコイツ、正体は天使だったのね」


「ザノ、こやつこそ転生者を使って勇者を滅ぼそうと企む連中の1人じゃよ」


「知っているの?」


「ワシはずーと何千年もコイツらの事を探しておったんじゃからなあ、やはり狙いどうりに出てくれおったわい」


そうか、この魔女っ子婆さんは初めっからメアリーではなくアタシに近づくのが目的だったのか?


召喚魔法サモンコール


 アーヴァインはネロを魔法で呼び寄せた。


挑発プロヴォケーション! 」


 メアリーはザノの注意を、引きつけ、振り向きざまに拳撃をたたき込んだ。


硬化拳アイアンナックル


 メアリーの一撃をくらいザノはぶっ飛んでいったがダメージはほとんど無い!


「さぁてガンガン行きますよ『炎纏ホノオマトイ』 『エア・クイック・シールド 』 」


 メアリーは半透明の盾を踏み台にして思いっきりジャンプした。


「メアリーちゃん引いて!『毒付与ポイズンインフレクト』これで毒の剣の完成よ!」


「ハイ、わかりました」


メアリーが半透明の盾を踏み台にして離れていくのを確認するとアタシは念力サイコキネシスで剣を操ってビュンビュン飛ばす。


「オイお魚やそんななまくらじゃ奴には効かん、コイツを念力で操ってみよ、精神剣魔法アストラルソーズ


魔女っ子婆さんの魔法で無数の剣が形成されていった。


「そ……それはまさかあぁぁぁっ?」


その剣を見たザノは突然慌てだし、逃げようとした


「させんぞ骸骨召喚!」


ネロは大量の骸骨を呼び出し、ザノを包囲した。


「バ…バカな」


アタシは念力サイコキネシス精神剣アストラルソーズを操ってビュンビュン飛ばし、ザノを滅多斬りにしてやった。奴は断末魔をあげてくたばっていった。


よし、くたばったら魔石(核)は頂くわ、


《 確認しました。魔石を吸収したことにより新たな能力-次元移動 -Lv1を獲得に成功しました》


《 確認しました。魔石を吸収したことにより新たな能力-能力譲渡 -Lv1を獲得に成功しました》



アラ、次元移動ってもしかして…… 自分の能力に鑑定をかけて情報の表示をされると……


【鑑定結果:異世界を自由に行き来出来る能力】


か…帰れるわ!コレでアタシ元の世界へと帰れるわ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る