私はしばらく言葉を返すことができなかった。


お姉ちゃんがスクールカウンセラーに家のことを相談していたなんて知らなかったし、家に問題があったといわれても、それが何を指すのか分からなかったからだ。

自分の家族のことなのに、検討もつかないなんて。


私は、もしかしたら、と手紙に目をやった。


『あの手紙を読めば、何かわかるかもしれない。』


「もしもし、つくも?聞いてる?」

私が返事をしないのを心配して環が聞く。


「ごめん、聞いてるよ。でも、後でまたかけなおしていい?」


環は余計なこと言ったかも、と謝ったけれど、私は、そんなことない、教えてくれてありがとう、と言って通話を切った。


環との通話を切ってから、私の中で、お姉ちゃんについて、本当のことを知りたいという気持ちが、ふつふつと湧き上がっていた。


私はベッドから立ち上がり、歩み寄って手紙を取ると、それを持ったまま椅子を引いて腰を下ろした。




――結論からいってしまえば、手紙には予想した通り、姉の秘密が吐露されていた。




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