「&」と「×」で実行する ②

「&」と「×」

達社長が掲げるビジョン

「元気な街をつくる」に不可欠な

経営実行キーワードだ。


2つ目は、「×」。

かけ算価値で

「らしさ」をつくるである。


参考になる実例がある。

学校給食を中心に

教育、介護と3つの事業を

手掛ける、老舗の地域企業。


同社は、3つの事業で展開

している代表的な10のサービス、

すなわち、

子育てから食育、シニアのケアまでを

ひと括りにし、

多様な暮らしの生涯を支援する

生活サービスパッケージを開発。


このプログラムを

住宅分譲事業者や

不動産事業者と共に

新たな街づくりにいかしている。


結果、少子化や高齢化に

悩まされていた地域の人口減少に

歯止めがかかりだしている。


「引退してもずっと

この街に住んでいたいわ」

そんな声が聞かれるそうだ。


子育てとケアの施設が

同居していることで、

例えば、子供の笑顔を見ながら

暮らせるシニアなど


三世代が同居できるプログラム

として、地域の人からも喜ばれて

いるからだ。


そうした評判からか

なんと周辺地価も

アップし始めるている。


つまり地域価値が

高まってきているのだそうだ。


各事業の価値を複数組み合わせ、

他にない、「らしい」価値をつくる。


「×」かけ算価値の

お手本となるような事例である。


「真似るは学ぶ」が上手な達社長。

基本的にはこの事例から素直に学び、


かけ算価値で、

元気な街を作ろうと考え、

早速動きだしている。


手始めに、やっているのが

幼稚園や保育園など、

子育てに関わる施設を

沢山建設してきた強みと、


新たに始める住宅事業を

組み合わせた、

地域三社で連携して行う

子育て世代を応援する

ミニモールの建設と

その施設の運営である。


建設はともかく、運営まで、

関わるかどうかは随分悩んだ。


経営会議で意見を聞くと

ベテラン専務筆頭に

「運営に関わる人もいなければ

ノウハウもない」と反対もされた。


しかし、

「建てて稼ぐ」だけでなく

「建てた後も稼ぐ」が必要だと

考えていた達社長。


「やる事を前提にやり方を考えたい」

と、経営会議では、

最終的に一任を取り付けた。


幸い

フランチャイズ加盟した、

子育て世代がターゲットの

住宅事業会社の

暮らしサービスのノウハウと

人材を活用することで、

やれそうだと判断。


反対していた専務にも

渋々だが、理解を頂き

暮らしモール事業を

立ち上げることにした。


モールとは言っているが、

まだまだ総戸数10戸程度の

小さな第一歩である。


しかし、

「元気な街をつくる」

ビジョン実現に向け、

なんとか、

戦えそうな状況になってきた。


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