未来を明らかにする

未来を明らかにしよう。


達社長いよいよ、

その活動に着手することにした。


地域興しをデザインする

地域デザイナー氏とのやり取りから、


「ありたい姿」や「ビジョン」

が頭の中に少しづつだが、

映像として

イメージ出来てきたからだ。


先ずは自社の役割の再定義である。


建設業らしさを忘れず

未来にどのような役割を果たすのか?


達社長の中で

それは既に固まっている。


「元気な街を作る」である。


つまりこれが、

達社長の未来、ビジョンの核になる。


お世辞にも

決して斬新な言葉とは言えない。


専務始め社員から、

青臭いと言われるかもしれない。


いくら地域に実績があるとはいえ、

請け負い主体の建設会社が、

簡単に出来る事ではないだろう。


しかし、経営理念である

「街と社員を豊かにする」。


この具体化に

なんとしても挑みたい。


そう達社長は固く決意している。


一方、事業である以上、

売上、利益へと繋げる

ものでなくてはいけない。


そこで、達社長。

10年で売上、利益の倍増を

掲げることにした。


売上,利益は目的ではないが

「街づくりに必要なことを

事業として強化し、新たに立ち上げる」

ことと繋がると考えたからだ。


具体的には以下の3つである。


①事業の専門化

②多角的な事業展開

③サービスの事業化


である


1つ目の専門化とは、

設計力やデザイン力の強化である。


今は1割程度しかない、

設計から受注するいわゆる、

設計施工モデルを引き上げたい。


食品工場建設で躍進する会社から

学んだように、指名が取れる

専門領域の確立も必要だ。


2つ目の多角化の柱は、

建設周辺の暮らしの事業化である。


これまで、頑なまでに、やらないと

決めていた一般の顧客、消費者を

相手にしたビジネスである。


ただ、ノウハウはないので、

相当な困難が予想される。


そこで、まだ構想段階だが

自社で0から立ち上げるのではなく


フランチャイズビジネス等、

他社のノウハウを取り入れた形で

暮らしの事業化、すなわち

不動産事業や住宅事業を

展開しようと考えている。


最後3つ目のサービス化については、

地域特性を活かした

観光やケア施設の建設だけでなく

運営まで行う、いわゆる

コンセッション型事業の確立だ。


つまり、ビジョンに近づくとは

従来の建設業をより高度なもの

にするのに加え


新たな2つの事業、すなわち、

暮らし事業とサービス事業を確立する

ことにあるのだ。


まだまだ、絵にかいた餅でしかない。


しかし、どこに行くかを決めない限り

永遠に、目的地に辿り着けない

ものでもある。


「やってやろう」


達社長のマインドは

かつてない程高まっていた

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