聖女ヒロイン、逆ハー詐欺にあう

少女漫画「淑女の願い事」あらすじ

　主人公エルシー・クロフォードは伯爵家の一人娘として生まれた。

　裕福ではなかったが、優しい両親や領地の人々に見守られてのびのび育つ。しかし幼い頃に父を亡くし、十歳の時、母ミュリエルの再婚によってダンヴァーズ侯爵家に引き取られる。

　不器用だが何かとエルシーを気遣ってくれる侯爵、優しい義理の兄。はじめは冷淡だった義理の姉アイリーンも、新しい母と妹の情愛に触れて次第に打ち解けてゆく。

　男爵令嬢セアラとは親友になり、メイドのポリーとも仲良くなった。

　そんなある日、外国の貴族の少年シミオンと出会う。

　影のある優しい少年はエルシーの快活さに惹かれ、エルシーも彼に好意を持ち始める。

　環境の違い、厳しい淑女（しゅくじょ）教育に戸惑うエルシーだが、周囲の人々に支えられ立派な淑女（しゅくじょ）になる決心をして、成長していく。

　十五歳の時、ガーランド侯爵家の息子ブライアンと知り合う。彼とアイリーンは幼馴染で、婚約の話も出ていたが、両家の争いで破談になり、その後疎遠（そえん）になっていた。アイリーンは、人前ではブライアンに対し冷たく振舞っているが、心の中では仲直りしたいと願っていた。

　ブライアンは始めエルシーに関心を持つが、義姉アイリーンの秘めた想いに気付いたエルシーは、二人を和解させる。その頃にはアイリーンとエルシーもすっかり仲の良い姉妹となっていた。

　両家の争いを皆の協力で乗り越え、ブライアンとアイリーンは婚約する。

　エルシーにも多くの若者が求婚するが、彼女が想うのはシミオンただ一人だった。

　そんなある日、母が突然の病で他界。周囲の励（はげ）ましで母の死を乗り越え、正式に侯爵家の養女となる。

　エルシーはシミオンと結婚の約束をし、彼がセルザム王国の第三王子であることを知る。

　その後初めて王宮に招かれたエルシーは、聖女の噂を聞き『聖女の盾』候補の五人を見る。