明日は明日の夢がある
にいるず
第1話私の秘密
私には秘密がある
それは満月の前後三日間だけ絶世の美女になれるというものだ。しかも私ってかぐや姫の子孫なんだって。うらやましい?そんなにいいもんじゃない。だって初恋だって砕け散っちゃったんだから。こんな秘密を持つ私に恋なんてできるのかなあ。
そんな私、
私が自分の秘密を知ったのは幼稚園に上がる前。
母から聞いた。その時には全く理解できなくて、ただ母に言われた時には外に出て遊んじゃダメということぐらいしかわかんなかった。ただ小さいながらもちょっとかわいい服を着せてもらった時に鏡を見ると、たまに自分の顔じゃない顔が鏡に映っているのを見て不思議だった。その子は自分が持っているお人形のようにかわいい顔をしているなというだけの印象で、それがまさか自分なんて思いもしなかった。
そうして幼稚園に入る一年前ぐらいから近所の子たちと遊ぶようになった。それまでは庭で母やおばあちゃんと遊んでいただけだったけど、母が初めて近所の公園に連れて行ってくれた。子どもが男女合わせて五、六人ほどいたと思う。初めての場所、初めての子供達に緊張したのは最初だけ。気が付けば洋服が泥んこになるまで遊びまくっていた。帰るときには、ぐずって母親を困らせていた。
「お母さん早く!」
それから毎日近所の公園に、母と一緒に行くのが日課になった。
子どもたちはその日によって多少顔ぶれは違っていたけれど、ほぼ毎日公園にいたのが今でも腐れ縁的な奴、
俗にいう幼馴染というやつだ。
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