連載、検証コロナ感染症。

北風 嵐

第1話 (1)中国で発生、チャーター機を飛ばすまで。

前提

隣の火事が一番燃えやすい。

危機管理とは、まず危機と感じることである。

中国との人・物の行き来が一番多い国は日本である。

武漢封鎖は、東京都が封鎖されたみたいなものである。


19年12月31日 武漢で原因不明の肺炎WHOに報告(20年1月7日 新型コロナウイルスと判明)。

1月23日 武漢封鎖(新型肺炎、死者41人に患者1100人突破)、1000万都市、日本で云えば東京が封鎖されたのである。尋常な事態でないと把握すべき。

1月27日 中国当局中国人の団体ツアー旅行が禁止に(個人旅行客は入国OK)


地方政府に初期対応の遅れ・隠ぺいがあったかもしれないが、SARSの時とは違って中国政府は積極的に情報を公開した。数字だけでなく、画像を見ただけで感染力の凄さ、死者の数の多さは医療崩壊を起こしていることが素人の私でも看て取れた。


カウントダウンから正月、正月から27日まで中国人はいっぱい来ていた。28日には武漢からの団体客を乗せていた奈良県の男性運転手の感染が判明。既に市中感染が始まっているサインなのに、政府は、水際作戦で「感染は拡大されていない」とする。武漢縛りで感染の早期把握が遅れた。感染は防げないが、拡大は防げる。それには早期の実態把握である。貧弱な検査体制は早期発見にこそ使われるべきであった。自分の症状を感じた医師が保険所に検査依頼をしたが、武漢縛りで拒否された例がある。武漢縛りに縛られて後手を踏んだのである。


モーニングショーで見られたかも知れないが、男前の久住英二医師(ナビタスクリニック)がその辺について簡潔に語っていた。一番まともな専門家だった。

「報告されている患者数は数千人ですが、武漢人口は1000万人超。その1%、つまり10万人超の人が、無症状のまま感染を広げているかもしれない、というわけです。そうした方々が、春節の前にも後にも、たくさんツアーで来られています。であれば、日本国内でそこからすでに感染が広がっていると考えるべきです」


奈良のバス運転手の件についても

「そもそもバスの運転手さんが誰からうつったのかが特定できていない状態で、2次か3次かを議論することに、あまり意味はありません。バス運転手に感染させた何者かが、すでに2次感染者、3次感染者だった可能性もあるからです」


その前提の上で、検査・診療体制を整備すること。国は水際対策よりも、国内感染者対応と情報公開をと!医師は早くから警鐘をならしていた。


武漢しばりについては

「国に求めたいことは、現時点では、たとえ肺炎の症状があって新型コロナウイルス感染が疑わしい人が受診しても、武漢から帰ってきた人やそういう人と接触があった人でないと、検査してもらえないんです。全国の保健所は武漢関係以外、一切受け付けてもらえません。そうではなくて、広く検査をできるよう体制を整備して、安心できる人を増やしてほしい」と。


1月29日  武漢からのチャーター機第1便を飛ばした(これに8万円の片道料金を取る方針と聞いて、私はここで政府の危機意識の欠如を危惧した)。これは救援機である。帰国後当然経過期間の隔離を強制すべき、政府は2月1日に「指定感染症」に指定したが、この時点で宣言して検査・入院に強制力を持たせるべきであった。2名が検査を拒否して自宅に返している。このうちの1名の親子は後日感染が判明している。水際作戦とは「水も漏らさぬ体制」体制を云う。

同日中国湖北省からの外国人の入国禁止措置をとったが、これも遅い。中国が武漢封鎖を発表したのだからその翌日には遠慮なく「中国全土からの禁止」にすべき)。


隣の火事、火の粉がいっぱい飛んで来ているのに、政府はボ~ト見てたよう。チコちゃんには当然叱られるだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る