大学の合唱サークルを二つ掛け持ちするのは、複数の小説投稿サイトに登録するようなものだろうか?

烏川 ハル

はじめに(前編)――タイトルに関連して――

   

 あらすじにも書きましたが、思いっきりタイトル詐欺になりそうなエッセイです。

 ……と最初にお断りしておきます。


 まずは、そのタイトルに関連しそうな話から。

 一年前の春からカクヨムを利用している私ですが、その半年くらい前に「小説家になろう」に登録したのが、『烏川 ハル』としての活動のスタートでした。

 我ながら、少し微妙な表現ですね。「執筆活動のスタートです」とも「小説投稿のスタートです」とも言えないのは、以前に別名義で、二次創作小説を投稿したり、自分自身のホームページでオリジナル小説を披露したり、という経験があるからでした。

 しかし、カクヨムや「小説家になろう」に投稿するオリジナル小説は、一次創作である以上、二次創作とは全くの別物。また一次創作という括りでは同じだとしても、誰も見に来ないような個人サイトでひっそり小説掲載するのと、カクヨムや「小説家になろう」のような大手の小説投稿サイトに投稿するのとは、大きく異なります。

 ですから「小説投稿サイトに初めて投稿したオリジナル小説」という意味で、「小説家になろう」に投稿した一作目である『「ウイルスって何ですか?」――ウイルス研究者の異世界冒険記――』を、私の処女作だと思っているくらいです。

 ……というのが、前置きの前置きとなります。


 さて、そうやって「小説家なろう」を使っていた私が、半年くらいしたところでカクヨムにも登録したのは、たまたまカクヨムという小説投稿サイトの存在を知ったからでした。

 同じ小説を複数の小説投稿サイトに掲載しておられる方々もいる、というのは「小説家になろう」を使っていて何となく理解していましたが……。私自身は、ちょっと抵抗感のある行為でした。それって自分が使わせていただいている小説投稿サイトを裏切る形になるのではないかな、と感じていたのです。

 しかし、カクヨムの存在を知ったのと時を同じくして、WEBで重複投稿に関して解説してある記事を読んで。

 それは別に裏切り行為ではなく、むしろサイト側にもメリットがある、と理解できました。ならば私ももう一つ登録して、もっと読者を増やしたい、と考えたわけです。

 そう、登録時に私が想定していたカクヨムの使い方は、「小説家になろう」で書いた作品をここでも掲載する、そうすれば「あちらは利用しておらずカクヨムのみというユーザーの方々にも読んでもらえるかもしれない」という程度でした。

 それが、いつのまにか、もう「小説家になろう」なんて秋冬のコンテストのシーズンしか使わず、すっかりメインはカクヨムになってしまって……。


 ここで、ふと思い出すのが、大学時代のサークル活動です。

 といっても、文芸部のような小説執筆関係ではありません。私の学生時代の趣味は合唱であり、合唱サークルに入っていました。

 それも、二つ。

 ……これって、案外、珍しいことなのではないか、と思います。

 もちろん、誰しも趣味なんていくつも持っているでしょうから、大学時代に複数のサークルを掛け持ちしておられた方々も大勢いるでしょう。しかし、合唱に限らず、同じことをするサークルに二つ入る、というのは、そう多くないと思います。

 また、合唱に関して言えば、大学の合唱サークルと一般の合唱団を掛け持ちするというのは、もう本当によくある話なのですが、これが大学の合唱サークルを二つ、となると、グッと少なくなるはず。まず同じ大学内に複数の合唱サークルが存在する、という条件が必要ですからね。


 ただし、二つ入っていたとはいえ、どうしてもメインは片方だけになります。そもそも、大学一年目から両方に入っていたわけではなく、二つ目の合唱サークルに入ったのは二年目でした。

 当然、その時点では、最初からのサークルの方がメインのつもりだったのですが……。最終的には、後から入った方がメインみたいになってしまいました。

 これって、なんだか、今の私にとっての「小説家になろう」とカクヨムみたいだと思いませんか?

 だから、こうしてカクヨムを使っていると、特にカクヨムを他の小説投稿サイトと比較するようなエッセイを書いたりすると、しみじみと感じてしまうのです。

 私の本質は変わらないのだなあ、と。

   

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