私は全てを失った。だから私は奴らに復讐すると決めた!ー 陥落王国の第一王子は、死ぬ度に強くなる魔法で国を一人で滅ぼすようだ ー
如月 りゅうか
第1話「私は、復讐する」
弟が死んだ。
姉が死んだ。
友が死んだ。
彼女が死んだ。
戦友が死んだ。
祖父が死んだ。
祖母が死んだ。
母が逝去した。
父が逝去した。
刺されて。
撃たれて。
失血して。
吐血して。
壊死して。
見捨てて。
殺されて。
──────国が、死んでいった。
弾が頬を掠って行く。
弾が友を殺して行く。
弾が基地を飛ばして行く。
弾が全てを殺して行く。
頭がおかしくなりそうだ。
上を見上げれば灰色で、白い軌跡が横切って行く。
血が。
脳症が。
勲章が。
腕が。
……悲鳴が。
ずっと聞こえる。
目を閉じても尚。ずっと。
ミセル。
アリサ。
ウール。
ミーア。
ルーズ。
ケリン。
空の青ささえも。
全てが、死んでいく。
私の周りには、彼らの死体が並べられている。
全ては、私の為に、死んで行った。
戦争が、敵国が、全てを奪って行った。
人生が崩れて行く。
群青色のあの光景が、血で滲んでいく。
私は全てを失った。
全てを戦争が奪って行った。
和平条約。
裏切った敵国が……全てッ。
何故私だけが生きながらえた?
何故民草を置いて逃げねばならない?
何故……。
悲鳴が聞こえる。
「逃げろ」と言う、全ての人々の顔が、浮かぶ。
私は覚えているぞ。
この戦争を。
貴様らを。
私から全てを奪った、戦争という概念自体を。
全てを!
吹き付ける砂塵を。
飛び散る血潮を。
戦友達の悲鳴を。
民草の家が燃える様を。
眠っていても尚、忘れることはない。
汝らは私の心の中に生きている。
これが呪いだとしても。
神の作ったシナリオだとしても。
私は忘れない。忘れることはない。
私は───。
この無念を覆す事が出来たのなら!
我は、最後の王子として───!!
──────復讐の業火に身を焼かれることを、誓おう!!
今日は五本投稿しまーすね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます