第1話 雲と大地の間で


 お天気お兄さんとその従兄弟が旅行に行った後、あちらのホテルで旦那と間違われた従兄弟の方が、目の悪い人妻と出来ちゃって、そのまま出来た子供が大きくなって、あっちの世界でお天気おねにいさんになった時、飛行機、機上で生まれたその二重国籍で、お兄さんでお姉さんだった初代天候士ウェザールが言っていた。

 気象魔道の極意。

 ヴァンパイアに突き刺すシルバーの剣を空に掲げると雨が降るって。

 気象実験で銀を使ったものを雲に散布すると雨が降るっていうのは、ニュートリノとかいう光線を吸収し、そのニュートリノが吸収された場所が光の最後の到達点として、その光の相対性座標の中間、水蒸気が雨粒になるっていう話をまともにその気象魔道士学校の初代校長が話してた。

 私はその気象魔道士学校で一番優秀かもしれないけど、名前だけ優秀で、有名人と間違われて優秀だと思われただけ。

 光が空と大地を繋げた時、その中間地点で水蒸気が雲となるって話は、山の上、大地よりも高い位置で祈る事で、光が反射する鏡をヒラクリテイーとして山伏が兜巾で額に太陽を受け、その相対的な位置で高さが通常よりも高い位置で雲が出来やすいって、ヨタ話っぽく話すその初代気象魔道士学校校長は、自慢げに話していた。

 なんでも、元素番号47の銀がニュートリノとか言う光線を捕捉して、その通常大地で遮断される光とニュートリノが地下へ透過する事と関係があるって事。

 実際に確かめた魔導士が、雲よりも上で作られた電離層とか言う空域でプラズマ化した中へ、飛行機で突っ込んだ後、迷走した世界へエトランゼ……。

 おそらく大気層が高いという事は、星が膨張して、その大気圏が通常よりも高い位置にある世界への迷走だったのかもしれないって、初代気象魔道士学校校長が話してた。

 その彼・彼女の父親が旦那と間違われて子供を作った時、その真の旦那が地球温暖化現象を研究する博士で、その研究論文ファイルを収納してたバッグごと間違われた事。

 日本のお天気お兄さんの従兄弟が機上で読んでいたXファイル。

 何かどっかの国がミサイルで飛行機を撃ち落とそうとしていた事。

 従兄弟であるお天気お兄さんがあっちの世界へ繋がった携帯メールで知った後、一切携帯端末が繋がらなくなっったって言ってた。

 何かヨーロッパの国から日本の成田へ向かすその県の上空での事だったらしい。

 お天気お兄さんとお姉さんの合体形であるお天気おねにいさん(なんかアカホリサトルさんの設定っぽい……)が、なんで男女混合ダブルスになっているのか。

 彼・彼女の目が太陽の左目と月の右目から、太陽の右目と月の左目に変わった時、その男女の半身機能が逆転し、自分がアンドロギュノスになった事を知ったんだって。

 フランスの天使的人類をユーマニ・アンジェリカと言う見たいだけど、天使的人類って、自分の中に合体形を抱えるから、独り身でも寂しくないって事をフィールした人類は、両性具有的な存在として、天国に受け入れられるんだって。

 相手がいなくても無理矢理犯罪を犯さない人類。

 一人で生きてく事も孤独ではない人類は、人口を激減させ、人類のこれ以上の増加を防ぐ方法だって事。人数減らしの最終戦争無しで!

 私は自分の中の誰かを創造しないまま、まだ気象魔道士の学校の教室の隅で、九字をノートに書いていたんだ。

 縦4本、横5本。その九字の咒は、目の前の空間の情報体を空間に固定して、自分の目の前の敵を自分と分離させる為の早九字と言う方法が、こっちの世界の経典にもあるという事は。

 星が膨張して大気圏がより高く上層まで伸びた時代にも、日本語があったという事。

 しかし世界地図を見ると、なんか、大陸は一つになっているんだなぁ……。

 パンゲアと言う巨大大陸。

 縮小して一つになる筈の大陸が、地球が膨張した後一つになっているのは?

 私が気象魔道士として学ぶ世界地図で、どこの地形が気象現象を生み出すのか、魔道を学道として研究する気象魔道士学校で、私は勇者様に出会う前に、此処で一回死んでいる事を、復活した後で聞いたんだ。

 北枕で寝る自分は、1回死んでいる。

 星と同化する為に北枕で寝る事を儀式とした宗教家が、世界一高い山脈の上で、雨を呼んだ事。宗教家の住む土地の北にある山脈。

 生きている時にも北枕で寝ていたその宗教家は、死んだ体で寝て、そして起きて、復活したんだって。

 星と一体化する為に北を目指した宗教。

 エセの宗教理論でエスパーを目指すバカどもと違う、本当の理論がそこにあったんだって、気象魔道士学校の教頭先生は言ってた。

 その教頭先生の孫だったアタシ……。

 初代校長の従兄弟で、間違われなかった方の男が、こっちの世界で作った子供の次男が、教頭先生だった祖父のマジョ・バシル。

 初代校長がこっちに来てから、その体内時計が止まっている事。

 そして体内時計の時差が戻りながら、その一族の生きる年数が短くなっている事。

 私の体内時計がこっちの世界のニュートリノに透過されないように、私は夜中だけを生きる少女で、次の日の天気を夜明け前に星見で知る託宣の巫女として養育されている一人だった事。

 彼らはその夜明け前のワタシを確認しようと私の頭上で逆さまに止まる蝙蝠として、遥か頭上にある衛星と言うシロモノで、私と逆さまに相対的な距離を保っていた。

 私が地下に潜むか、それとも山登に行くか。その時、彼らは動くのだ……。

 相対的な距離を保たなければ、大洪水としての大雨が、相対的な高さで孕む雲になる事。

 私が大洪水を起こす元凶となるかならないか?

 彼らは私を相対的な高さで逆様に見ているのだった……。




 第1話 了

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