悪辣な宝庫

韮崎旭

悪辣な宝庫

 この悪疫のような天候のせいでまったく寝付けないでいる。なぜ過剰に眩しさを振りまくのか、外が晴れていて人がいる、これが一体悪疫でなくて何だというのか、その音はここまで届いてくる当たり前だ天岩戸もびっくりの防音性の低さ……天岩戸の防音性は低いのだろうか、人類全滅。悪疫のような天候音、騒音、騒音のせいで寝付かれずにいる、今日はクエチアピンを試したが効果のほどはまだ不明だが、しかし、眠りまで妨げられてはたまったものではないので早く感覚を遮断したいものだ、とやけ食いのようにものを食べながら考えるには、本屋の時点ですでに薬が切れていたのだろうか、恐ろしく不愉快な精神状態になり、不愉快な精神状態として、しかしこの肉塊はどうして口をきくのだろうか? 肉塊の癖に、全く黙れないとは能無し極まっており、肉塊であることに絶望しながら近距離に同じ肉塊がいることに絶望しているが私はまだあきらめていないので、絶望がいよいよ深まるばかりだ、夜間外出は凍死を想って、だが酒が全く好きじゃないあゝ酒か、酒はいいね、忘れたいなあ、でも潰滅的に死んでいる、酒も飲むか。向精神薬の使用期間だが、しかし騒音を忘れるには、そうさな、向精神薬と酒を混ぜても仕方あるまい、まっすぐな線が引けないが何も問題はない、恐竜が滅んでみたときに、君の家庭訪問は始まったのだよ、この悪質な天候!なぜ鉛色の空が広がっていないのか、なぜ、他の色ではなく本当にこのような降り注ぐ、ああ陰湿、陰険な、太陽、此方に現れないでくれ、葬儀場に沈めてやろうか? だが、私は。なにも屍になることばかりが現世でもない、其れなのに、手に負えない人間の騒音抱えている騒音を抱え得て騒音そうだかあら操舵室だから騒音、もういまさら聴きあきているのに、ねえ掻き毟る手が止まらない。宝石箱を開けようにも、人間がいる、いかにして、人間が、不愉快な、明けない夜を呉れ、今になって鈍痛のような鈍い曇りが視野を諭す。初めから不明な服用方法をしたせいで常に音楽をかけっぱなしているのでトリップしたいです恐怖逃れる方法の先、サンショウウオの煮つけ、き、逆巻く、あり得ていたはずの、既視感、未見の、空の炎が咲く模様を見つけにいくのに、外出は悪疫をもたらすことでしょう、カッサンドラ、です、明らかなのはまだこの場所から動いていない危険視された物質の使用に違和感を抱えずとも句読点に違和感を用いご不可解な模様を近視眼的に追及する子宮の悪用はなはだしく衝突事故は人身の損壊をもたらし幸せなフレスコ画に残された虫の蝗の害毒を盛ってこのビスケットの中でも特に有用なのは31㎎頭根知らないはずの見ていたら灌漑用水は椅子既視感の近辺でご覧くださいテレビと部屋を暗くしてかき混ぜたら大丈夫になるよクエチアピンが意外とまだ眠くなっていないのはキータッチができますその前にカフェインとかある限り飲むからだよ服と喫のいずれがこの乞食の参照文献にリストアップされる缶や瓶の回収日を守りましょうでも銀の深海魚の懐古趣味的な予言がまさか法に触れる埋葬だったとは衛生的になったことがない人間において不可解な幾何学模様を好むのは狸ですか違うわたしが説明したものではないトマトを三個とねえこのまま新青森まで行っちゃおうか、夏だしそれは夏だった回覧板が怖いので玄関のドアに戸を立てたのは口を閉ざせと明滅した信号灯の灯台守の夏場に屍。西を。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

悪辣な宝庫 韮崎旭 @nakaimaizumi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ