332ページ目…朝食
お風呂場での一戦を終えた僕は、リブングのソファーで寛ぎながら、料理が運ばれてくるのを待っていた。
「まったく…プリン達には困った物だ…お陰で、朝からクタクタだよ…。」
そう、風呂場での嫁~ズとの戦いが始まった原因はプリンが僕にちょっかいを掛けてきたからである。
その為、プリン以外の嫁~ズ達が、負けてなる物かとアピールを始め、そして、そのまま戦いへと発展したのである。
1対4の戦い…彼女達に一矢報いたとは言え、その戦いは数の暴力とも言うべき物だった。
お陰で僕の
「
おっと、どうやらクズハが呼びに来た様だ。
僕は、慌ててその場を立とうとする…が、不覚にも足に力が入らずストンとソファーに座り込んでしまった。
「だ、大丈夫ですか?」
「あ、あぁ…ちょっとお風呂で頑張り過ぎただけだから…。」
「す、すいません…わ、私達の所為で…。」
「い、いや…道中、レスターさん達が居た所為で、クズハ達の相手が出来なかったからね…。
みんな、寂しかったのは分かっているからね…。」
そう…流石に、監視されている状態で、事に及ぶ事を嫌った僕は夫婦の営みをしなかった。
本来であれば、昨晩の内に僕は気が付かなければいけなかったのだが、蜃気楼の所為で村が消滅えたりした事もあり、疲れて寝てしまったのだ。
その為、監視の目が離れ、自由になったプリンが我慢の限界を迎えていたのだ。
そうとも知らず、彼女達と風呂に入ったりすれば、それは飢えた獣に餌を与える様な物である。
その結果、僕がギブアップするまで彼女達の行動が終わる事はなかった。
もっとも、その後は、しっかりと頭や身体を洗われて、綺麗サッパリはした…が、だからと言って失った体力は直ぐに回復する事はなく、今も僕の体力は最低ラインギリギリになっていたのだった…。
「あ、あの…お疲れの様でしたら、こちらに運んできますがどうしますか?」
僕の体調を心配したクズハが嬉しい提案をしてくる。
正直な話、もう少し体力が回復しないと動くのも、億劫なのだ。
その為、僕はクズハの提案に乗る事にした。
「そうだね…せっかく、クズハが言ってくれたんだし…悪いんだけど、こっちにご飯を持ってきてくれるか?」
「は、はい!直ぐに持ってきますね♪」
クズハはそう言うと、急いでリビングから出て行ったのだった…。
★ ☆ ★ ☆ ★
数分後…リビングでは、全員分のご飯の準備が完了されていた。
「
「プ、プリンさん、ズルイです…わ、私だって、あ~ん♪」
プリンに対抗するかの様に、クズハも僕に食べさせようとしてくる。
「
「モガッ!?」
「ち、ちょっとローラさん!今のは私の番なのに~!」
クズハに食べさせて貰おうとしたら、ローラが横から僕の口に肉をねじ込んで来た。
その為、一瞬、息が詰まってしまった。
「
アリスの差し出してきたお茶は、直ぐに飲める程の温かさで、僕はそのまま飲み干していく。
「グビグビ…ぷはぁ~。
ローラ!人の口にいきなり物を入れるんじゃない!
危うく窒息するかと思ったじゃないか!
それと、アリス、お茶をありがとう。」
「
本当に反省しているかは分からないが、ローラの尻尾がヘニャっと垂れた。
「いえ、何事もなくて良かったです。」
そんなローラを慰める様に、頭を撫でながら、アリスが返事をした。
「
「あ、ごめんごめん…あ~ん…。」
僕はそう言うと、大きく口を開ける。
流石に、なかなか食べて貰えないクズハが泣きそうな顔をしていた。
「は、はい!あ~ん♪」
目をウルウルして泣きそうになっていたクズハが、急に笑顔になって僕の口に料理を運んでくる。
が、僕の隣でプリンが、うずうずしているのが横目で見えた。
〔プリン、余計な事をするなよ?〕
念の為、念話でプリンに注意を促す。
〔バ、バレたッ!?〕
やはりと言うか、何と言うか…どうやら、プリンはクズハの料理を横から食べようとしていた様だ。
しかし、そんな事をすれば、今度こそクズハは泣くだろう。
そうなれば、クズハを宥めるのに一苦労するのは明白。
なので、先に釘を刺したのだ…もっとも、そう言う悪戯はプリンだけでなく、僕も好きなのでプリンを強く叱る事が出来ないのだが…。
何はともあれ、こうして僕達は楽しい朝食を迎えたのだった…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます