154ページ目…緊急報告
「なッ…『
プリンの台詞を聞いて、一瞬、僕の動きが止まる。
何故なら…以前、ラオンさんに質問攻めになった時に聞いた情報の中に、邪神復活と言う話があったからだ。
邪神…この世界に降りた神が、この世界を破壊する為にこの世界の者と同化する事により生まれた魔王。
そして…時間の流れが違うのか、何百年か前に僕と同じ様にこの世界に来た…今は死んでいるが、じぃちゃんが勇者となり倒した魔王こそ、その邪神だったと言われている。
だが、それでも完全には倒しきれず、その魂の半分を…その時代のお姫様だった当時のばぁちゃんに封印した状態で元の世界に連れて戻る事によって、二度と復活する事が無い様に阻止した存在でもある。
どう言うつもりで邪神を復活させるつもりなのか分からないが、零の使い魔と言うのは、あまりよろしくない邪神教徒と言う事だ。
ラオンさんの情報では、大きな街で爆破テロよろしく大きな被害を出すも、未だに捕まらない存在との事だった。
そして、何人いるのかすら分かっていない謎の軍団…と言う話だった。
「さすがに、これはラオンさんに言った方が良い…よな?」
〔そうですね…実際、この世界その物の危機になりかねない話なのですから、私達だけで問題を解決しようとはせずに協力しないとダメだと思います…。〕
僕が心配した事を、そのまま言葉にして同意してくるプリン…依存している訳ではないが、やはり、僕にはプリンがいないとダメだと改めて思う。
とは言え、そうなるとアレから数日たっているのだ…すでに対処するのに出遅れている。
『
そう思った僕は、急いでラオンさんの部屋へと〖魔法:
◆◇◆◇◆◇◆
「ぶほッ!?ゴホッゴホッ!!」
「うわッ!汚っね~な~!」
「ゴホッゴホッ…お前と言うヤツはッ!言うに事かいて、汚いとは何だ!
それに前にも言ったが、いきなり現れるんじゃない!
と、言うか、その姿…誰かに見られたらどうするつもりだ!」
言われて気が付いたが、まだプリンと〖融合〗したまま…つまり、魔王化しているのだ。
「いや、まぁ…そうなんだけど…先日のオークションで気になった事があったんだけど、思い出した事があって…急を要する事みたいなので慌ててまして…。」
「お前がそこまで慌てると言う事は…つまり、また厄介事…と言う事だな?」
個人的には厄介事じゃないと言いたい所だが、流石にそうも言っていられないので、僕は『はい』と短く答える。
すると、事の深刻さを感じ取ったのか、ラオンさんは急速に落ち付きを取り戻す。
そして、先ほどまでのお茶目が入った態度から、ギルドマスターとしての態度へを変化する。
「分かった…それでは君の話を聞こう。
とは言え、立ち話も何だ、そこに座ってくれたまえ。」
「はい…失礼します。」
僕は返事をすると、ソファーへと座る。
そして、ラオンさんはその対面へ座った。
「すまんが、君が表から来なかったから、お茶は無しだ。
それで、急を要する話と言う事だが…どう言った話なんだ?」
客が来たのに、お茶も出さないのか…と、ネタを振る前に、先に言われてしまった。
だが、そんな事は些細な事なので、今は無視する。
「はい…実は、絶対とは言えない不確定な話なのですが…。
先日、オークションでバトルアックスを購入した者について一つ…。」
「あぁ、あの…何故か、よく顔が思い出せないヤツの事だな?
あれほどの大金を、振り込みではなく直接払ったと言うのに、受け取った私が相手の顔が思い出せずにいるので少し気になってはいたのだが…。」
「やはり、そうでしたか…。」
「やはりと言うと、君も…だな。」
「はい…プリンが言うには
「そうなのか…いや、あの場にプリンさんはいなかったはずだが?」
そう、プリンはお留守番していたからだ。
「それは、以前話した様に魔王化すると僕とプリンの記憶も一緒になりますので…そこから導き出した結論…と言う事です。」
「なるほど…それならば理解出来る。
それで…その者が認識阻害する理由について心当たりがある…それが原因で、転移して来た…と言う事だな?」
「はい、話が早くて助かります。」
一々、説明しなくて言い分、話は早く進む。
「ふむ…それで、心当たりとは?」
「その反応からして、ラオンさんも僕達の答えと同じ答えに辿り着いた…と言う事ですね。」
今までの会話の中で『認識阻害』と『空間転移』をして来た事実…そこからラオンさんも答えを見付けた様だ。
「「零の使い魔」」
お互いに相手の顔を見て頷きあい、タイミングを見計らって辿り着いた答えを言う。
その為、見事にハモった答えに、ラオンさんは頭を抱え込む様に項垂れる。
「やはり、そうなるのか…だが、確かに強力な武器になりそうではあるが、『零の使い魔』が欲しがる様な武器とは言えないと思うのだが…。」
「えぇ…実は、僕達もそこが引っ掛かってまして…確かに強い武器なんですが、あくまでもそこそこ…ですからね。」
「なるほど…それで、絶対ではない…と言う事か。」
「はい、あくまでも可能性が高いだけであって…正体をバラしたくない貴族とかが認識阻害の魔法を使い戦力拡大を…と言う可能性もゼロではありませんので…。」
「そんな、3%未満程度の可能性を引き出されても安心は出来ないが…な。」
「アレ?3%もあったんですか?」
「あぁ、それはな…多めに見繕ったからだ。」
「そうですか…。」
そこで暫しの沈黙が訪れる。
「とりあえず、話は分かった…こちらの方でも、出来るだけ調査をする事にしよう。」
「分かりました…では、僕達はこれで…。」
僕はそう言って立ち上がる。
すると、プリンが念話で話し掛けてきた。
〔ご主人様、どうせですからラオンさんに
「あぁ…そうだね。
「ラオンさん、プリンからラオンさんに差し入れです。」
僕はそう言うとラオンさんに赤い色のポーションを数本渡す。
「お…これは、君のダンジョンのだね?
正直、最近仕事が大変で…本当に助かるよ。」
「そうですか…でも、大量に飲んで中毒になったりしないで下さいよ?」
「あぁ、それには気を付けるが…残念ながらお前と違い、基本、こんな高価な物を中毒になるほど飲んだり出来ないよ。」
と、ラオンさんはいつもの態度へと移行する。
それを確認した僕達は再び〖魔法:
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