73ページ目…家探し【4】

『パリーーーンッ!』


 鏡に触ると危険だと、魔王化した時に感じた僕は、いつの間にか形が変化していた骸の魔銃による遠距離攻撃で見事、割る事に成功した。

 すると、今まで紫だった鏡から紫色の煙が立ち上ったと思ったら、鏡が普通の鏡へと変化したのだった…。


 良かった…と思った物の、割れて使い物にならなくなってしまった鏡を見て、どこに捨てようか…と困った。

 それ以前に、コレをもってギルドに向かわないとクエスト達成したと言っても信じて貰えないかもしれない。

 結果、アームズに命じて鏡をかき集めさせて、再び家まで戻る事となる。

 そして…再び悪霊退治を再会する事となった。


 とは言え、元凶である紫鏡を破壊したからか、今度は悪霊が増える様子は無い。

 つまり…鏡が悪霊をおびき寄せていた…もしくは悪霊を作り出していた…と言う事になる。

 とは言え…鏡が原因ならば、いったい誰が置いたのか疑問が残る。


 とりあえず…ブラウニーには悪いが、再び魔王化して一気に殲滅する事にする。

 何故なら、危険な物が鏡一つだけとは限らないからである。

 その為に魔王化して感知能力を可能な限り上げつつ、悪霊を殲滅する事にしたのだ。

 悪霊の取りこぼしがあると、後々、後悔する事になる…念には念を…石橋を叩いて渡ると言う諺がある。

 用心し過ぎても悪い事は無いはずだ。


 結論としては、微妙な反応をする道具が数点見付かったが、問題のある物は見付からなかった。

 なので、悪霊討伐のクエスト完了の報告をする。

 ちなみに、殲滅するのに、レベルが2つ程上がった。

 しっかし…悪霊退治で回収した魂…100個以上あるんだが…どう処理したら良いんだろうか…。


◆◇◆◇◆◇◆


「ってな訳で、悪霊退治が完了したと報告します。

 それと…家の代金の金貨5枚です。」


 僕はそう言うと、ギルドマスターであるラオンさんに金貨を渡す。


『チャリチャリ…。』


「ふむ…確かに代金は受け取った…。

 あと書類の関係上、正式な引き渡しの時期は3日後となるが、先に住んで貰っても構わない…だが、念の為、こちらでクエストの完了を確認してからの方が良いと思うぞ?」

「確認…ですか?」

「ん?確認されたら不都合な事でもあるのか?」


 ブラウニーの事を秘密にして…と、考えていただけに、確認に来ると言う言葉に、若干、嫌な顔をしてしまったのだが、バレた様だ。

 まぁ、ラオンさんなら、話しても問題ないだろう…と思うのは悪い癖か?


「いえ…家は悪霊以外にもブラウニーが居まして…ブラウニーには、家の管理をお願いする為に、そのまま居て貰う様にしたんですが…確認に来ると、不法侵入とみなして追い返そうとしないか心配なだけです。」

「なるほど…だとしたら、君が付いていって客として招いて貰った方が良いだろうね。」

「あ、そう言えば…悪霊の打ち漏らしが無いか気になったんで魔王化して退治したんで、確認する人がブラウニーに聞いたら少し不味いかもしれません。」

「ブフォッ!?お前と言うヤツはッ!その事を知ってるのは、私しか居ないんだぞ!

 そんな話を聞いたら、私自ら行かないとダメじゃないか…まったく…これでも私は忙しいんだぞ?

 頼むから、これ以上は無茶をしないでくれよ?」


 そんな事言われても…ね?

 今回は事情が事情だから、仕方ないんじゃないかな~?とは思うが…今回は素直に謝る事にしよう。


「すいません、お手数掛けます…。」


 でもまぁ、かなり面倒な悪霊退治だったが…無事、任務完了…異世界で家を買うってのも不思議な感覚だけど、これで拠点も手に入れる事が出来た事になる。

 さて…3日後に書類を貰えば正式に僕の物になる事が決まった。

 なので…家の修理を済ませれば、この世界での準備完了だ。


 それさえ済めば…あとは美味い物ツアーの開始…どんな美味い物と出会えるのか楽しみだ!!

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