33ページ目…告白?

 えっと…このピンクのスライムは何ですか?先程までのスライムは何処に?

 僕は嫌な予感がして、〖神の目〗で確認する。


◆◇◆◇◆◇◆


種族:プリンセス・スライム

名前:-

Lv:1/50


HP:30/150 MP:80/80 SP:50/50

攻撃:65 防御:50 魔法力:100 素早さ:54


技能スキル:〖スキル:強酸性弾アシッドブレッド〗〖スキル:触手〗〖自己再生〗〖スキル:生命力強奪ライフ・ドレイン〗〖スキル:魔力強奪マナ・ドレイン〗〖スキル:融合〗〖スキル:念話〗〖魔法:魅了チャーム〗〖スキル:人化〗〖魔法:氷の矢フリーズアロー〗〖魔法:石の刃ストーンエッジ〗〖魔法:応急処置ファーストエイド〗〖魔法:初級治癒魔法ヒール〗〖スキル:擬態〗〖スキル:硬化〗


◆◇◆◇◆◇◆


 あ~これダメなヤツやん、見たら誰でも分かるヤツやん!

 嫌な予感ほど良く当たる…ってジンクスあるよね~。


 うん…スライムはスライムだけど、マッド・スライムからプリンセス・スライムですか…そうですか…。

 レベルこそ下がってるが、めっちゃ進化しとるやんけ~!?


 ってか、この手の進化…存在進化って言うんだっけ?


 そう…最初に、このスライムを見た時、レベルが最大になってて…そうか、これが嫌な予感の原因だっのか…僕は、最後の賭けに負けた事を理解した。


『ポヨン、ポヨン、ポヨヨン』


 ピンクのスライムが少しずつ近付いてくる。

 って言うか…スライムって、ピョンピョン飛び跳ねて移動してくるんだ…ナメクジとかみたいにズルズル移動するのかと思っていた。



〔お主、なかなか強いの~惚れた!わらわの物になれ!〕

「はい?この声はいったい…誰だ?」

〔おぉ~!即答とは…では、お主は妾の物じゃな。〕

「はぁ〜?誰が誰の物だって?」


 僕は謎の声に対して、疑問を問いかける。


〔今、妾がお主に、妾の物になれと言ったら『はい』と答えたではないか。〕

「いやいやいや、さっきの『はい』は、呼ばれた様だから返事しただけで、僕が誰かの物になるとか、一言も言ってないから!

 そもそも、『はい?』って『?』が付いていただろうが!」

〔そうかのか?〕

「そうなんです!って言うか、あんた誰だよ?どこから話しかけてきてんだよ?」


 僕は見えない誰かに対し、半ばキレ気味で質問する…ちょっと失礼だったかな?


〔お主、さっきから何を言っておるのじゃ?

 妾なら、先ほどからお主の前におるではないか…。〕


 僕の前にいるだって?

 今、僕の前にいるのは…ピンク色したスライム…プリンセス・スライムしかいない…。


「…もしかして、スライム?」

〔気が付くのが遅過ぎじゃ、まったく…。〕

「そっか…いや、諦めてたけどさ…。

 やっぱり、僕は喰われちゃうって事だね…。」

〔こらこら、誰が喰うと言ったのじゃ!

 妾が言ったのは妾の物と言ったのじゃ!〕

「ごめん…ちょっと意味が分かんない…。

 って言うか、スライムなのにどうやって話してるの?」

〔妾が、こんなにも好いておると言うのに…まったく…。

 それと、話してるのは妾の〖念話〗じゃ。〕

「好いておる…って、確か…好きだって意味だよね?」


 僕は、自分の記憶と照らし合わせ、目の前のスライムに聞いた。


〔もちろんじゃ、妾を倒したのじゃから、お主は妾に相応しい物じゃ!

 とは言え、好いておる…と、面と向かって言われるとテレるのじゃ…。〕


 クソ!やはり謎の声の主はスライムの様で、器用にも体の一部を紅く染めてやがる。


「丁重に、お断りさせていだだきます。」


 僕の人生初の告白されると言うイベントが、人間ですらない魔物に告白される異常事態に付いていけず、即答で断ってしまった。


〔なぜじゃ~~~~~~!〕


 僕の頭の中で、スライムの絶叫が鳴り響いた…。

 マジで五月蝿うるさいんで勘弁して下さい…。

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