30ページ目…強敵、顕る?

 森から戻ってきた僕が見た物…それはゲームなんかでは何かと最弱とされてる魔物…。

 だけど、物語とは違い決して最弱ではない…むしろ、対処方法を知らなければ強敵とされてる魔物。


 それ、すなわち…『スライム』である!



 僕はスタトの塔で学んだ事を実行…それは、まずは〖神の目〗で相手をじっくりと確認すると言う事。

 敵を知り、己を知れば百戦危うからず…等と言う名言もあるくらい重要な事だ。

 確か…敵と自分の力を見比べ、きちんと戦えば百回戦っても勝てる…って意味だったかな?


 なんか違う気がするが、今は緊急事態、細かい事は気にしない…気にしたら負けだ。


 ◆◇◆◇◆◇◆


種族:マッド・スライム

名前:-

Lv:35/35(Max)

HP:250/250 MP:120/120 SP:80/80

攻撃:97 防御:80 魔法力:55 素早さ:39


技能スキル:〖スキル:狂戦士バーサーカー〗〖スキル:吸収〗〖スキル:強酸性弾アシッドブレッド〗〖魔法:氷の矢フリーズアロー〗〖魔法:石の刃ストーンエッジ〗〖スキル:触手〗


 ◆◇◆◇◆◇◆


 とりあえず…狂戦士は、何となく分かるから無視をするとして、攻撃手段が増える魔法の方は何としても欲しい…。


【〖模倣〗の効果により、〖魔法:氷の矢フリーズアロー〗を覚えた。】

【〖模倣〗の効果により、〖魔法:石の刃ストーンエッジ〗を覚えた。】


 ふむふむ…やはり、魔法に関しては〖神の目〗で相手のステータスを見れば模倣コピー出来る様だ。


 それにしても、マッド・スライムか…マッドって書いてるからには泥なのかな?


 しかし…泥のイメージと違い、少し血の様に赤いが綺麗な半透明なんだよな…う~ん、分からん。

 ただ、自分と相手のステータスと見比べると、流石に何の作戦も無しに戦うのは、かなりヤバイ気がする。


 いや、それ以前にレベルの数値だけ見ても、僕の7倍…。

 って、よく見たらレベルMaxカンストじゃん…もう嫌な予感しかしないよ?


 それに…何の作戦も無しに…と言ったが、どう考えて、まず勝てる気がしない。

 とりあえず…僕は命の危険を感じ、僕はコマンドから逃げる事を選択した。


 リアルだから、コマンドなんてないんだけどさ…。


『パキッ!』


 あ~…考えてみたら、確かに銛を作る時に此処で作業してたわ…。

 そんでもって、いらない小枝を斬り落としたりもした…。

 しかも、その枝に魚を刺して焼くつもりだったから集めて放置していた…うんうん、確かに記憶に間違いは無いね。


 で、逃げようとして小枝の山を踏んだ訳だ…。

 うん、なるほど…いつものお約束ってヤツだ。


 と言う事は…僕は恐る恐る後ろを振り向く…ギャーーーーーッ!?


 何と言う事でしょう~!魚の腑を貪っていたスライムが、こちらにゆっくりと近付いて来ているではありませんか。

 僅かな音に反応する、匠な仕事ぶり…某テレビ番組みたいなビフォーアフター…良い仕事してるぜ、ちくしょーコノヤローッ!


 いや、流石に今回は僕の命に関わるから、マジで良い仕事しないでください、お願いします…。

 僕は走って逃げようとした…が、恐怖のあまり足が動かない…。


 僕は逃げるのを諦め、無限庫インベントリから武器を取り出す。


 次の瞬間、僕の手には骸の魔銃と錆びた短剣が握られていたのだった…。

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