12ページ目…スキルの謎【3】
と、言う訳で…先生こと、謎の声さんに教えて貰った様に、今度は発動させるスキルLvを意識して使ってみる事にする。
「〖
先生の話では、闘気剣はLv3まで発動可能と言う話なので、Lv1を意識して闘気剣を発動すれば、持続する為のSPが残っていて、闘気剣が少しの間、具現化出来るはずである。
すると、右手に光の剣…と言うより棒?みたいなのが出てきた。
ただし、今度は一瞬で消える事はなかった。
『ガン、ガン、ガン』
僕は闘気剣で、壁を何度か叩く。
普通に壁に罅が入るが斬ると言うよりは、やはり叩いていると言った方が正解な気がした。
その後も何度か叩いていたら、SPが0になったからだろう…闘気剣が消えた。
ステータスを確認したら思った通りSPが0になっていた。
SPが完全に回復するのを待って、同様にLv2を試す。
『ザッ、ザッ』
Lv2だと、闘気剣の形も少々変化して、棒と言うよりは剣の形に近くなっていた。
こちらも同様に壁を攻撃したのだが壁に斬り傷が入った。
Lv2になった事により剣の形になったからか、斬撃が可能となった様だ。
そして、スキルLvが上がると先生の言っていた通り維持するのに消費が上がるみたいで2度斬り付け、3度目を斬り付ける瞬間消えてしまった。
そして、Lv3の実験である。
『ザクッ』
Lv3だと、更に剣の形が変わり切れ味も変わった様で、壁に入った斬り傷が、Lv2の時よりも綺麗な断面になってる様な気がする。
とは言え、今のSP量では一瞬しか発動出来なかった為、そう見えただけなのかもしれない。
念の為、闘気弾も試したが、こちらはLvが上がれば威力が上がるのと、低いLvだと連続で使える回数が違うのが確認出来た。
量より質か、質より量…と言った感じで使い分けが出来そうである。
【そうそう…言い忘れていましたが魔法を使う時も同様に意識すれば、問題なく使えるはずよ?】
【もっとも、慣れてしまえば意識せずに切り替えて使えるでしょうけど…ね。】
聞いていない情報ではあるが、先出しの情報はコレから役に立つと思うので感謝である。
先生、ありがとうございます!
【どういたしまして、では頑張って使いこなして下さいね。】
先生はそう言うと黙ってしまった。
いつも声だけだから、どこにいるか分からないけど僕は頭を下げた。
一応、スキルの謎が分かった…ぶっちゃけ、最初からLvMaxで手に入れ事による障害と言うか、ポカだった訳だが…今まで生きてきた中で、スキルなんて使う事がなど無かったのだか仕方がないと言えば仕方がないだろう…と、言い訳をしてみる。
ただ、今のままで3階にいる巨大鼠(角付き)に勝てるか…と言われたら分からない。
もう少し強くなってから戦いを挑んだ方が良いと思う。
なので、僕はレベルを上げる為に、2階を探索する事にした。
◆◇◆◇◆◇◆
結論から言おう…敵がいなかった。
2階の隅から隅まで探したのに、何故か一匹も見付からなかったのだ。
単純に、鼠がいなくなっただけなのか、ゲームみたいにリポップしていないのか…それはこの世界に来たばかりの僕には分からない。
そんなこんなで、諦めて階段の所まで戻って来たのだが…そこで、ふと〖
使えば使うほど、上限が増える
これが使えるなら、今のレベルでも多少は戦える様になるのでは?と思い付いたのだ。
思い立ったが吉日…と言う訳ではないが実験を開始する。
まぁ、ぶっちゃけ実験と言うほどの事ではないのだが…。
実験.1…闘気剣を使う。
僕は右手に闘気剣Lv1を作り出す。
この時、ふと疑問に思ったのが、闘気剣を使う時に右手に作成される。
スキルLvが任意であるなら、そのスキルを発動させる手も任意で変える事が出来るのではないか?と言う事。
故に、右手だけではなく左手でも作り出せるので?と思ったのだ。
その結果、意識すれば簡単に左手にも作り出せた。
更に言うのであれば、両手に一本ずつ…双剣と言うスタイルでも作り出せるのを出来たのは嬉しい発見だ。
ただし、コレには欠点があり、必要なSPの消費が激しいと言う事。
単純に、闘気剣×2なのだから消費も2倍…かと思ったのだが、それ以上に持続する為のSPが多く必要とされた。
双剣スタイルで使う場合、1本当たり1.5倍の消費になる為、双剣では維持するのに3倍のSPが必要となる事が判明した。
実験.2…筋力トレーニング
腕立て伏せや腹筋、走り込み…ダッシュとかを繰り返す。
これにより体力、素早さの向上を期待しての行動である。
結果として期待通りの成長が出来た…予想外だったのは、その行動に伴い防御力までアップしたのは僥倖だと思う。
実験.3…闘気弾を使う。
闘気弾の威力と、撃てる数の確認。
実験.1を経た事で、SPも誤差の範囲とは言え、雀の涙程度ではあるが増えている為の確認的な意味合いが強いが、大事な事なので確認が必要だったからである。
まぁ、闘気剣同様にSPが増えるであろうと言う事も期待もあった。
こちらに関しては予想通りSPの増加した事により、更に攻撃力がアップされた。
実験.4…複合訓練
闘気剣を双剣で発動したまま、ダッシュしたりを繰り返す。
また、片手に闘気剣を持っている状態で、空いてる手を前に出し、闘気弾を撃つ練習もした。
その結果、もう説明は必要ないと思うが魔法系のステータス以外のアップを無事に確認出来た。
◆◇◆◇◆◇◆
「はぁ…はぁ…はぁ…。」
僕は、3階に上がる階段の前で、大の字に寝そべって息を整えていた。
色々試した結果、やはり
ある意味、チートスキルと言っても過言ではないと思う。
さて、その結果を発表しよう。
◆◇◆◇◆◇◆
HP:35/35 → HP:40/40
MP:14/14 → MP:14/14 (MP使うスキルや魔法が無い為変化なし)
SP:18/18 → SP:43/43
攻撃力:10 → 攻撃力:20
防御力:5 → 防御力:10
魔法力:6 → 魔法力:6 (MP使うスキルや魔法が無い為変化なし)
素早さ:5 → 素早さ:12
◆◇◆◇◆◇◆
『結果報告』
やはり、結果を見ると一目瞭然だった。
Lvが上がって無いのにも関わらず、数値がアップしてるのが分かる。
悔やまれるのは魔法が使えない為、MPと魔法力が上がらなかった事だが…それでも、使えば使うほど成長するのは素晴らしいと思う。
それに、今は使えなくても魔法を覚えた時に同じ様にすればMPとかも上がるはずだ。
実験前と比べると数値的に、かなり強くなっているのだが、ちょっと鍛えただけでは筋肉ムキムキになる事が無いのは良かったと思う。
正直、ゴリマッチョとか呼ばれている筋肉ムキムキの男は、個人的に嫌いだから心配したのは内緒である。
こうして、実験結果に満足した僕は、いよいよ巨大鼠を倒す事を決めたのだった…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます