7ページ目…投擲スキル、再び

 さてさてさ~て、先程からも石の回収に関しては、これで十分に回収したと思う。

 え?石なんて何に使うのかだって?

 ふっふっふっ…さっき投擲を試した時に、ふと気になった事があり、それを試す為に回収したんだよ、明智君!


 自慢じゃないが、正直な話、僕は野球のボールを狙った所に投げれた事がない。

 ぶっちゃけて言うなら『ノーコン』、ノーコントロールだ。

 それなのに、先ほど投げた時は狙った所に当たったのだ。


 つまり、コントロールが良くなっていたのだ。

 ただし、まぐれ当たりの可能性を考えて、これからの検証の為に、色々な大きさの石を集めた…と言う訳だ。


「えいっ、えいっ、えいっ!」


 僕は無限庫から『小さい石』を取り出しては投げ、投げては取り出すと言う単純作業を、何度も繰り返した。

 小さい石が無くなると、今度は『普通の石』、『大きい石』も全部投げてみた。

 大きい石に関しては、さすがに重かった所為か目標に届かず命中しなかったものの、小さい石と普通の石は、寸分違わず狙った所に全部当たった。


 その結果…投擲スキルがLvMaxのお陰か、狙った所に、確実に当てれる事が判明する。

 まぁ、威力に関しては攻撃力依存って話だから、威力は期待できそうにないが、それでも、この投擲は使い方によっては便利かもしれない。


 僕は小さい石より威力がありそうな『普通の石』だけを50個拾って無限庫に入れておいた。


 ◆◇◆◇◆◇◆


 全ての確認を終えたと思っていたのだが、一つだけ確認不足だったスキルがあるのに気が付いた。


 それが、この〖模倣コピー〗である。

 しかも、この特殊技能とくしゅスキルと言う項目は何だろう…。


【模倣とは、他の人や魔物などが使った技や魔法を見た際に、そのスキルが自分が使えるスキルであるなら覚える事が可能となります。】


 な、な、何だって~ッ!!

 先生!僕は、その台詞待ってましたッ!


 その説明だと、見て覚える…ラーニング機能だと言う事だろう…。

 パンドラの箱よろしく、最後の最後で僕にも『希望』が残っていた。

 思わず流れた涙が、床に落ち染みを作って…はいないが、濡れている。


【喜んでる所悪いんだけど…模倣はある程度、その技や魔法の効果を理解していないと、覚えれないわよ?】


 つまり、逆を言えば、見て理解出来るのであれば、覚えれると事で合ってますか?先生!


【せ、先生ではないけど…ほぼ正解ですね。】

【でも、全部覚えれる訳じゃないから勘違いしたらダメですよ。】


 はい!了解しました。


 とりあえず…ダメダメな僕にも僅かながらの希望が残っていた様だ。

 そして、今度こそ全ての確認が出来たはずである。


 これで最初の町に行く事が出来るはずだ。

 僕は足下を注意しながら、外に向けて歩き出したのだった…。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る