4ページ目…スキル確認【2】

 とりあえず…〖闘気剣オーラブレード〗と〖闘気弾オーラショット〗は使う事だけは出来た。

 その威力に関しては、Lv10となってはいたが、使い物にならないと言う事も分かった…。


 とは言え、普通で考えればLv10と言うのは結構高いレベルなのでは無いだろうか?

 だとすると、コレっぽっちの威力と言うのは腑に落ちない。

 まぁ、ゲームとかでも聞いた事がない物だしクソスキルだったのかも?と言う疑問も捨てきれていないのだが…。


 だが、この二つのスキルに関しては、ひとまず置いておこうと思う。

 何故なら、この僕にはまだ魔法と言う希望が残されてるからだ。


 闘気系のスキルがクソみたいだったから一抹の不安は残る物の、残された魔法に期待する。

 そう…誰が何と言おうと僕のステータス欄には、ちゃんと攻撃法や回復魔法のスキルもLv10と書いてあるからだ。


「気を取り直して…魔法を使ってみよう。」


 と、不安を吹き飛ばすかの様に僕は誰に言うでもなく、そう呟いたのだった…。


 とは言え…魔法を使うならMPが必要のはず、その為もまずは…と、再びステータスを確認する事にした。


 ◆◇◆◇◆◇◆


 名前:語部カタリベ 夢幻ムゲン

 種族:人族

 Lv:1


 HP:21/21 MP:10/10 SP:12/12


 攻撃力:4 防御力:3 魔法力:3 素早さ:3


 ◆◇◆◇◆◇◆


 あ、あれ?HPが21、SPが12…だって?

 それに攻撃力が4に上がってる?


 原因は分からないが、予想は出来る。

 何せ、僕が起こした行動と言うのはスキルを使っただけなのだから…。

 さらに言うのなら、ステータスを見ていて、その原因らしき物を発見したからだ。


 〖限界突破オーバーフロー〗である。

 何て言うか…見るからに怪しい名前である。


【限界突破は、鍛えれば鍛えるほど強くなる特殊技能とくしゅスキルです。】


 ここで、再び頭の中にメッセージが来た。

 やはりご都合主義なのだろうか?

 謎の声が正解だと言わんばかりに教えてくれる。


 なるほど…と思う反面、だったら最初から教えて欲しいと思った。


 とは言え、今のやりとりで分かった事がある

 それは、僕は鍛えれば鍛えるほど強くなれると言う事だ。

 だとすれば、…先ほどのクズスキルである闘気オーラ系のスキルも鍛えれば鍛えるほど強くなると言うのであれば、頑張れば強くなると言う事で…若干、希望が見え始めた瞬間だった。


 そして、気を取り直して魔法を使ってみる事にする。

 ただし、僕は魔法なんて知らない。

 そりゃそうだ…僕の住んでた世界には魔法なんて無いんだから。

 似た様な物と言うのであれば…せいぜい魔術と言うトリックを使った手品位だろうか?


 さて、どうした物かと思ったが、ゲームで良くある魔法の名前を唱えてみる事にする。


「○ァイア!メ○!リ○バリー!ヒ○ル!」


 ゲームで初級と言われてる攻撃魔法と回復魔法を言ってみた。

 一応、もしかしたらと期待はしていたのだが、何も起きなった。

 いや、正確に言うなら頭の中にメッセージが流れたんだけどね?


【あなたは攻撃魔法を覚えていません。】

【あなたは回復魔法を覚えていません。】


 え~と…つまり、攻撃魔法、回復魔法…共にLv10なのにも関わらず魔法を覚えていないって事だよね?

 どんなクソゲーですか?

 そもそも、スキルや魔法の横にLv10って書いてるって事は覚えていると言う事ですよね?

 それなのに使えないって…Lv10の意味ってなんだよ?

 それにLv10って書いてるが最大は幾つなんだ?


【スキルLvの最大値はLv10です。】


 つまり、Lv10でカンストならLvMAXの方が見やすいと思うんだけど…と考えていると再び声がした。


【スキルLv10をMAXと表示可能ですが、変更しますか?】

【Yes/No】


 ご都合主義も、ここまで来ると呆れるのを通り越して感動してしまいそうだ。

 僕は分かり易い方が良いと思い、Yesを選択した。


【スキルLv最大時の表示を変更しました。】


 再び謎の声が聞こえてきた。

 さいですか…とりあえず、ちゃんと変更されたか確認をしてみる事にした。


 ◆◇◆◇◆◇◆


 技能スキル:〖闘気剣オーラブレード:LvMax〗〖闘気弾オーラショット:LvMax〗〖攻撃魔法:LvMax〗〖回復魔法:LvMax〗〖精霊魔法:LvMax〗〖無詠唱:LvMax〗〖多重詠唱:LvMax〗〖投擲:LvMax〗


 耐性:〖全属性耐性:LvMax〗〖毒無効〗〖麻痺無効〗〖幻惑無効〗


 ◆◇◆◇◆◇◆


 どうやら問題なく変更された様だな。


 しかし…この声、いったい誰の声なんだろう?

 僕が疑問に思っていたら、再度声が聞こえた…しかも…。


【それは、ひ・み・つ・です♪】


 いやいやいや、秘密なのは理解した…うん、間違いなくなく理解した。

 誰が何と言おうと理解したのだが…問題なのは、その声だ。

 聞こえてくる声は、僕の中では確かに可愛いと思う…だが、何故に可愛く言う必要があるのだろう…。


【つまり、貴方は脂ぎった、むさ苦しいオッサンの声の方が良かったと言う事ですか?】


「ご、ごめんなさい!可愛い女の子の方が良いです!」


 ちょっとムッとした声で質問された…そりゃ、むさ苦しいオッサンの声より、可愛い女の子の声の方が癒されるのは間違いないだろう。

 僕が女の子だったらダンディーな声の方が良いかもしれないが…。

 とは言え、流石に僕にはそんな趣味はない。


 そもそも、オッサンの声で色々言われるより、可愛い女の子の声の方が絶対的に良いに決まっているじゃないか。


 なので…僕は誰も見てないのに、慌てて直角に腰を曲げ謝った。


「僕が悪かったです、許して下さい!」


 っと…。


【もう、仕方がないな~今回だけ許してあげますね?】


 どうやら、許して貰えた様だ。

 しかし…何だろ、このツンデレ感…。

 ふぅ…と、溜息を付いたら、どっと疲れが出て、僕はその場に座り込んでしまったのだった…。

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