2ページ目…さぁ、あなたの物語の始まりです。
(あれ?いつの間に寝ちゃったんだろう…確か、部屋で本を読もうとして…。)
そこまで思い出してからは急速に、意識が覚醒する。
どうやら、僕は床に寝ている様だ…ただし、布団の上とかでは無く、何やら硬い床の上の様だ。
少し怠いが体を起こし、目を開ける…そして、視界に飛び込んできた物は…。
「うわッ!真っ白だ…。」
若干、寝惚けている感じがするが僕は周囲を見渡した…。
すると天井も壁も床も…全て真っ白な部屋に、唯一人いるのに気が付く。
そんな不思議な空間に居る事に気が付いた物の、どうする事も出来ないのでボ~っとしていた。
すると、しばらくボ~っとしてたら周囲から少しずつ光が集まり始めた。
どんどん集まってくる光…それは、それは僕の目の前で少しずつ変化を始め一つの光る水晶玉か?と思われる物へと変化したのだった…。
恐る恐る近付いき、そして、覗き込んでみた物の残念ながら何も見えなかった。
そう、本来ならコレだけ綺麗な球体であるなら、何も見えないはずがないのだ。
最低限、覗き込んだ僕の顔が写り込んでも良いはずなのに…。
「何だろう…これ…。」
そう呟きながら、その不思議な水晶玉(?)に触ってしまった。
【異世界冒険記の使用を確認。】
【ただいまから、初期設定プログラムを実行します。】
【ようこそ異世界冒険記へ、あなたのステータスをボード表示します。】
どこからとも無く、声がした。
すると、目の前の水晶玉が半透明の板…ボードへと変化した。
そして、そのボードに表示された内容がコレだ。
◆◇◆◇◆◇◆
名前:
種族:人族
Lv:1
HP:20/20 MP:10/10 SP:10/10
攻撃力:3 防御力:3 魔法力:3 素早さ:3
頭:なし
体:布の服
右手:なし
左手:なし
足:靴下
特殊1:なし
特殊2:なし
健康状態:通常
耐性:なし
称号:〖異世界冒険者〗
所持金:0〔ゴルド〕
◆◇◆◇◆◇◆
【スキル:ステータス表示を手に入れた】
「な、何だコレ?」
まるで、ゲームみたいな感覚に陥り再び独り言の様に呟いた。
そんな僕の言葉を無視するかの如く、再び声がした。
【ただ今より、特殊技能の設定を始めます。】
【幾つか選択肢がありますので、今すぐ決定するのではなく全部確認してから決定して下さい。
なお、やり直しが利かないのでご注意下さい。】
【それでは始めます。】
そう言うと幾つかの質問…選択肢が目の前のボードに表示された。
【あなたは防御より攻撃を重視にしますか?】
【Yes/No】
「とりあえず…全部確認した方が良い言う事だから、全部見てからにしようかな。
って事で、今は【No】っと…。」
やり直しが利かないと言う忠告通り、ひとまず全部見てみようと思い透明なボードのNoを選択する。
【物理攻撃より魔法重視にしますか?】
コレもNoを選択。
【攻撃より回復重視にしますか?】
コレも…以下略
【特殊技能を重視にしますか?】
優柔不断な性格でもある為、何度かNoを選択していくと最初に戻った。
う~ん…どうしよう?
そう思いながらも何度も何度もNoを選択していく。
すると、再び最初に戻る筈の質問をNoを選択した時の事。
最後の選択肢をNoにしたら瞬間…画面にノイズがった様にブレ、何と選択肢が増えたではないか。
【勇者になりたいですか?】
勇者…勇気ある者、ゲームや小説なんかじゃ主人公がなる職業だよな…。
でも、正直言って僕は勇者って柄じゃないんだよな…っては訳で、ここはNoを選択。
【魔王になりたいですか?】
いやいやいや、魔王なんかなってどうするんだよ?
勇者って職業があるんだから魔王なんかになったら殺されそうになるじゃんッ!?
つか、勇者がいなくても戦争になるじゃんよ…。
当然、ここはNoだな。
その後も、Noを繰り返す…優柔不断な性格の所為か、はたまた単純に決められないだけなのか…選択肢が増えるかも?と言う期待も込めてNoを繰り返していた。
(う~ん、やっぱり増えないか…だとしたら勇者か魔王かな…どうしよう迷うな…。)
そして、ボードの【No】を何度も押しながら迷っていると何週目か忘れたが最後に、今まで無かった選択肢が出てきた。
【チート機能が使いたいですか?】
本来なら最初に戻るはず…だが、今まで見た事のない選択肢…チート機能。
チートと言うと…確か、ゲームなどであり得ないほど
僕は、どうしようかと思ったのだが…どうせ異世界って言う位だからチートな能力位あっても罰は当たらないだろう…と、軽い気持ちで【Yes】を押してしまった。
『ビーッビーッビーッ!ビーッビーッビーッ!』
次の瞬間、その真っ白な部屋に大音量で警告音が鳴り響く。
「な、何事ッ!?」
慌てる僕を無視する様に、再び謎のメッセージが流れた。
【メインシステムに致命的なバグが発生しました。】
【緊急事態発生、緊急事態発生…初期設定を強制終了】
【ただちに異世界転移を開始します。】
『バチバチッ、ボンッ!ボボンッ!』
部屋のいたる所でバチバチと言う音と共に小さい爆発が起きる。
更には、今まで選択肢を選んでたボードも、再度、光の粒子に変わり、勢いよく僕の身体へに吸い込まれてしまった。
次の瞬間…突如、ガンガンと鳴り響く様な激しい頭痛が僕に襲い掛かってくる…。
その結果、僕はその痛みに耐えきれず、意識を手放してしまう。
その瞬間…待ってましたと言わんばかりに、僕の身体は異世界へと転移したのである。
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