~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神

~序章~

1ページ目…~プロローグ~

『皆さん、おはようございます!』


 とは言っても、皆さんにとっては『こんにちは』の人もいれば『こんばんは』の人もいると思います。

 ただ、個人的な意見として、初めて会う時は挨拶と言えば『おはようございます』だと思います。


 と、言う訳で…改めてまして、おはようございます。

 そして…初めまして、これからよろしくお願いします。


 まずは自己紹介からですね?

 僕の名前は『語部かたりべ 夢幻むげん』です。

 嬉しい事に、今日で18歳になりました。


 突然ですが、皆さんは夏休みとかの長期休暇に、実家やおじぃちゃんの家…または、おばぁちゃんの家とかに遊びに行く事がありましたか?


 僕の場合は…実家と言うと、田舎のおじぃちゃんの家でした。


 毎年、夏休みと言えば1週間から10日程度、じぃちゃんの家に遊びに行きカブトムシやクワガタムシを捕っていたのが懐かしい思い出だったりします。

 で…何故、そんな話をするかと言うと、昔、僕がまだ小さな子供の頃の話なんだけど、じぃちゃんの家に遊びに行った時に、冒険と称して屋根裏部屋を探索中に1冊の本を見付けました。


 とても気になった僕は、おじぃちゃんに『この本、何が書いているの?』と尋ねたら、表紙には『異世界冒険記』と書かれている本だと教えてくれました。

 ちなみに、この本の表紙にはドラゴンが描かれていたんだけど、そのドラゴンの口には不思議な事に取り外し可能な指輪が付いていました。


 当時、僕は小さかった為、自分で本を読む事が出来ず、じぃちゃんに読んで貰おうとしましたが残念な事に、最初の1ページ目に『この本は異世界冒険記、あなたの物語です。』と書かれてるだけで、後のページは全ては真っ白でした。

 念の為、じぃちゃんが最後のページまで確認しましたが、やはり何も書かれていなかった為、僕は興味を無くし、すっかり忘れていました…そう、18歳の誕生日を迎えるまでは…。


 ◆◇◆◇◆◇◆


 アレから正確には覚えてないが、10年以上の歳月が経ち、残念な事に先月、じぃちゃんが亡くなりました。

 にも関わらず、不思議な事に…昨日、僕宛てに、じぃちゃんから大きめの小包が届きました。


 まぁ、郵便には期日指定の配送サービスなんて物もあるので、死んだ後に届くと言う事自体はそこまで驚く事はないのですが…小包には、18歳の誕生日になったら開ける様に…と、メッセージが添えられていました。

 そんな訳で、先程、じぃちゃんからの誕生日プレゼントを開けたのですが、期待を込めて開けた箱の中からは1冊の本が出てきました。


 最初、本を見た時には思いせませんでしたが、その本の表紙に付いていた指輪を外した時、不思議と幼かった頃の思い出が甦ってきました。

 そう言えば、指に填めて遊んだな…とか、じぃちゃんに読んで貰おうとしたけど読んで貰えなかった…等、思い出が甦ってきたのです。


 当時、異世界冒険記には、『この本は異世界冒険記、あなたの物語です。』としか、書かれていなかったのを思い出した為、何も書かれていないのを分かっていたにも関わらず、僕は何故か気になって本を開きました。

 やはり…と言うか、当然ながら1ページ目は変化がありません。


 それでも、続きが気になり2ページ目を開いてみたくなりました。

 どうせ、何も書かれていない分かりきった事…とは思っていたのですが…。

 何となく暖かい様なそれでいて悲しい様な、不思議な感覚に包まれページを捲りました。


 すると、そこには以前は真っ白なページしか無かったはずなのに、短い文章ですが確かに文字が書かれていました。


『さぁ、あなたの物語の始まりです。』


 と、そんな文章が書かれていたのを不思議に思っていたら、急に指輪が激しく光だし目の前が真っ白になりました。


 次の瞬間、僕は気を失っていたのでした…。

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