第24話

「ち、流石に一筋縄では行かないわね。」


学園長はもちろん覗いていた。千里眼という魔眼を模した魔術を使って口先を読みつつ話の内容を確認していた。しかし、あと1本のところで気付かれていた。アレは疑いではなく確信を持って言ったことに学園長は気付いていた。


「こうなったら誘拐?それだと魔眼師のマスターが黙っていないわね。


あのマスターは当時の学園最強、即ち学園長を越していることに他ならない。今は判らないにしろ易々と倒せる相手ではないことが伺える。というか今もすでにみられている可能性がある。あの魔眼師は生徒時代から手を焼いていた。


「そうだねえ、こんな風にね。」


キリキリ


首を壊れかけたブリキのおもちゃのように回す学園長。


「いやあお久しぶり、娘たちが世話になっているね。君は相変わらず研究のことになると見境が無くなる。研究とは本来自分で行うものだろうに最初に使い系スキルの実態は彼女が見つけ、貴方はそれを奪おうとした。また、呪われた武器の悪夢を再現したいのかい。」


背筋が凍るように思えるほどの圧倒的恐怖。


「なによ、何が悪いっていうの、知的探求は知的生命体の特権じゃない。」


「おいおい、マスターがいると思ったら。オイタが過ぎるぞ異界の来訪者。」


学園長の首筋に一つの刃が向けられた。


気づかなかった?ずっと彼にマーキングをしていたはずなのに術式は今も正常に作動し廊下を移動していると出ている。


「あなたは何者?」


「アンタが付け回しているイグアスだぜ。今もマーキングをつけているみたいだが術式が稚拙すぎるんだよ。スキルの本質をまるで使いこなせていない。ダブルスキルが聞いて呆れる。」


この槍使いには見えていない何かがあるのか。それともそれこそが自分の追い求めた研究の答えなのか。学園長が理解できる領域にはなかった。


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