第6話

「お待たせ待った?」


俺は、改め私は街に繰り出すため髪をとかし黒髪ロングのおさげにして特殊な顔のマッサージを施すことで女性のような顔つきに変化させた。服装は黒髪に合うよう青いリボンのついた白のハットにブラウス、淡い水色の膝がかかるスカート、そして少し低めのヒールを履き集合場所に向かった。


「おい、お前誰だ。」


「あら、貴方は私の奴隷になったのではなくて。」


リュヒルはボブカットの銀髪に合うようにかつ今は夏と秋の間くらいなので季節感に合わせ紅いチェックのワイシャツを着つつブラウンの膝がかかるかかからないくらいのスカートを履いていた。


「え、イグアスなのか。」


驚愕と共にどこか喪失的な表情があった。


「そうだけど、言ってなかったかしら。私、女装が趣味なのよ。」


「じゃあ恋愛対象も男性なのか。」


「うーん、それはどちらともいえないといったところかしら。私、昔女性恐怖症になっていたのよ。それでじょぞう趣味と男の子にも興味を持つようになったのだけれどもミーナのおかげで男の子への興味と女性恐怖症はだいぶ薄れてきたのよ。」


「つまりまだ完全ではないという具合なの?」


リュヒルの答えは的を得ていたのでは私は首肯する。


そしたらリュヒルから一瞬ガッツポーズの幻影が見えた。


「リュヒル?」


「私が女性恐怖症を完全に治せばまだチャンスはある。」


私に聞こえないくらいの小さな声で呟いていた。


「ごめんごめんイグアス遅れちゃったよ。」


今頃になって遅れてきたミーナが姿を現した。

ミーナはセミロングの茶髪を一部三つ編みにしてさらにサイドテールになるよう三つ編みで縛り上げる形をしたヘアスタイルをしていた。服装は黒のジャケットに前を開ける形で中に白のロゴ入りのTシャツにショートパンツとボーイッシュなスタイルとなっていた。


「ミーナにしては中々にまともな格好をしてきたじゃない。」


「だってイグアスがコーディネートしてくれたものって私には似合わなそうじゃん。」


「そんなことないわよ。とっても似合っているわ。」


私はミーナを褒めたが照れくさそうミーナは顔を赤らめた。


「なななな!!!?」


「あ、リュヒルちゃん。(渡す気はないからね。)」


「知っての通り私はイグアスの奴隷となったわ。だからミーナ、貴方ともよく合うけれども風紀委員としての立場は失っていないから私の目の黒いうちはそんなことさせないわよ。(すでに私は彼のものよ。貴方の補習の面倒をイグアスに見てもらいたくば私との関係を認めなさい。)」


目視語と隠語がぶつかり互いの目線で火花を散らす。

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