『詩墓』【詩】【4800編目】
片喰藤火
詩墓
詩墓
問いかけに答えはない
勝敗の無い不毛な争いの犠牲者が無限に眠る
何故そんなに苦しんだのか
何故そんなに悲しんだのか
辛く険しい道の果て
答えを導いても崩れて見失い
土葬された詩
火葬された詩
暗唱した記憶の詩さえもはや跡形もない
沈黙に時が重く圧し掛かり
静寂が心に虚空を写す
終わりたいからここへ来たのか
もう歩けないからここに来たのか
諦めが死を懇願しても
抗いながら生きてここに居る
自分の為の言い訳が
自分を更に苦しめる
認められないまま葬り去られる事が怖い
蔑まれたまま忘れ去られる事が怖い
答えが見つからないまま
詩を作り続ける事が怖い
ここに答えが無いのは分かっているのに
ここで弱音を吐いてしまう
哀悼
青天の一輪を
青天の一輪の詩を供えよう
黙祷
墓石に刻まれた
墓石に刻まれた詩は詠えない
『詩墓』【詩】【4800編目】 片喰藤火 @touka_katabami
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