第44話 バナナボート

修学旅行(2日目)

朝、目が覚めると何故か床で寝てた。ベッドの上には彩奈と恵が寝てる。

時計を見ると朝6時。朝食まで1時間。部屋に戻ってシャワーでも浴びるか。

「おーい、朝になったよ。起きろー」

2人におはようのキスをして自分の部屋に戻った。

部屋に帰ると竹田君はまだ夢の中。起こさないようにシャワーを浴びる。いやー、昨晩は最高だった。今夜も、明日の夜も最高の夜にする予定だが。

シャワーを浴びて部屋に戻ると、竹田君も目を覚ましていた。

「おはよう、竹田君。昨日はごめんね」

「大丈夫だよ。それからおはよう。ここはお決まりのセリフを言ったほうがいいのかな」

「なんて?」

「昨晩はお楽しみでしたねって」

ついニヤリとしてしまった。竹田君面白いなぁ。

俺たちは身支度を整えて朝食を食べに行った。朝食はどこに座って食べてもいいみたい。竹田君と2人で飯を食べていたら、彩奈と恵がやってきて、俺たちのテーブルに座った。

「一緒に食べていい?」

竹田君も構わないというので4人で朝食。

彩奈はパンと果物。恵は和食の朝ごはん。俺もご飯のお替りに行こうかな。席を立つ。

「あたし卵焼き追加」

「はいよ」

おぅ、まるで熟年夫婦ようなやり取り。竹田君もよく分かったねと感心している。

しかし、この席は注目を浴びてる。モデル・美少女・歌手・イケメンが揃っているからな。それに女性2人の雰囲気がやばい。いつもの可愛さに、今朝は艶が乗っている。男はみんな目が離せないだろう。向こうのテーブルではさわやか君が悔しそうに見ている。

「ほら、卵焼き。ちょっと醤油垂らしてある」

「ありがと」

卵を美味しそうに頬張る恵は可愛さ120%。

「そういえば今日の自由行動は泳ぐんでしょ?」

彩奈に聞かれる。

「一応、そのつもり。せっかくの沖縄だからな。バナナボートもしたい」

わざとバナナボートを転覆するように引っ張るんだよね。何とか耐えてみたいよね。チャレンジ精神が沸いてくよね。

「千秋、私と恵も一緒に泳いでいいかしら?クラスとか関係ないよね?みんなバラバラで大丈夫よね?」

ああ、一緒泳ぐのは俺からもお願いする予定だった。クラスとか班は関係ないんじゃないかな。予定ではホテルのプライベートビーチとしか書いてなかったから。

「着替えたら迎えに行くわ」

「了解」

俺たちは食事を終わらせ部屋に戻った。


水着に着替えて彩奈たちを待つ。竹田君は先に海に行った。

部屋のインターホンが鳴った。2人が来たな。俺は海パンにサンダル、シャツを羽織って部屋を出る。あ、タオル忘れるところだった。

「お待たせ。じゃ、行こうか」

2人を両手でエスコートしながら海に向かう。ホテル前のビーチは学校で貸し切りとなっている。

途中、サマーベッドと浮き輪を借りて行く。ビーチにはパラソルが何本も立っていて、その下にサマーベッドを置いた。

「2人とも去年と水着が変わってるね。買いに行ったの?」

どうやら2人で買いに行ったらしい。彩奈は黒のビキニで、恵は黄色のビキニだ。どちらもこぼれそうなお胸に目を奪われる。

「どうかしら。セクシーでしょ」

彩奈に言われるが目の毒すぎる。

「目を奪われすぎて危険だ。泳ぎじゃなくてベッドに行きたくなるよ」

「うふふ、夜まで我慢しなさい。今はたっぷり泳ぎたいの」

浮き輪を装着した2人は海に走っていった。よーし、俺も続くぞー!

沖縄の海はすごくきれいだ。水が透きとおっていて、魚が泳ぐ姿がはっきりと見える。

「ねー、千秋。浮き輪を引っ張ってー」

あれ、俺は去年も浮き輪を引っ張っていたような。

「彩奈は怖くない?水があまり得意じゃなかったよね」

「足がつけば大丈夫よ」

足がつくギリギリまで2人の浮き輪を引っ張っていく。疲れた俺は去年同様に彩奈の浮き輪にもぐりこんだ。

「この浮き輪はすごく大きいから密着はしないね」

こうすれば大丈夫と、彩奈は俺の腰に後ろから足を絡ませる。おっぱいが気持ちイイ。その感触をしばらく堪能してた。

そして今度は恵の浮き輪にもぐりこむ。背中側から顔を出して腰を抱く。しばらく海を漂う2人。

「恵、海が気持ちいいな」

「海は気持ちいいけどさぁ。千秋さっきからあたしの胸を揉んでいるのはなんで?しかもピンポイントで摘まんできたり」

「そこに大きなおっぱいがあったら揉むだろ、摘まむだろう」

「気持ちよくなってきたからおしまい」

くぅー、残念。俺は恵の浮き輪から出て浮き輪を引っ張る。

彩奈と合流して一緒に海を漂う。このボケっと漂う感覚が好きなんだよ。

ひとしきり漂った後は、パラソルに戻った。

サマーベッドに横になる。ドリンクを飲みながら海を眺める。恵は砂の城を作ると言って波打ち際に行ってしまった。

「修学旅行だけど、ちゃんとリゾートしてるな」

「プライベートでもまた来ましょう。スケジュールをあわせてもらえばいいわ。そうそう、恵もうちの事務所でバイトするの聞いた?」

何それ聞いてないよ。

「本格的なモデルじゃなくて衣料品店のモデルとかよ。千秋も何回かやったよね」

あぁ、俺が最初にやってたやつね。

「事務所に登録して、月1、2回位で仕事するみたい」

うん、いいんじゃないかな。恵だったらうまくやっていけると思う。

波打ち際の恵に視線を戻すと、恵がさわやか男に話しかけられていた。

あ、走って戻ってきた。

「もう、せっかくドイツ風味の素敵なお城ができるところだったのにー」

あの砂の小山のどこがドイツか聞きたい。

「また遊びのお誘いだったよ。お風呂出て部屋に遊びに来ないか?だって。男の子の部屋なんかに行かないよ」

「俺の部屋にはくるじゃないか」

「千秋は男の子枠じゃないから。家族枠なんです」

カップル通り過ぎて家族か。まぁ、いいだろう。

「あの人も必死ですね。でも恵の態度をみれば、脈がないと分からないのかしら」

あんだけ話しかけてもつれない態度だからな。俺だったら折れてる。

「いくら話しかけられても無理だよ。あたしには愛してる男性がいるんだから。教室で話するのは全然OKだけど、プライベートでは絶対にダメ。私のプライベートは千秋のものだから」

「あら、千秋は幸せ者ね。こんなに可愛らしい女の子に愛されてるんだから」

そうだな、幸せ者だ。俺のことが大好きな2人の美少女。

「頑張って2人を幸せにするよ。ちゃんとご飯食べられるように稼ぐから」

うん、頑張ろう。


ホテルでビュッフェの昼食を食べた後はバナナボートに乗った。

俺たち3人と何故かさわやか君まで乗っている。総勢6人でGo!

うぉ~、ぎゃ~色々な叫び声が聞こえるな。俺たちは前から4・5・6番目にスタンバイ。恵の腰に後ろから俺が掴まり、彩奈は後ろからで俺の腰に掴まっている。

ボートは発進をする。最初はゆっくり、そして徐々に加速。これは風が気持ちイイ。ボートは湾の中を大きくまわる。スピードが上がってくると、ボートが跳ねるようになってくる。しっかり掴まっていてもヤバイ。

直線になりもの凄いスピードになる。やばいぞ~。引っ張ってるジェットスキーが勢いよく急カーブ。落としにきたぞ。踏ん張れ!

「「きゃーっ」」

遠心力に対抗しようと体を傾けるも、簡単に吹っ飛ばされた。俺が気合い入れてても全く役に立たなかったよ。勢いよく海に投げ出される。ライフジャケットを着ているので怖くはないが、彩奈はマジでビビってた。反対に恵は大笑い。

「おーい、彩奈は大丈夫か?」

「彩奈~、生きてる?」

彩奈は俺を後ろから抱きしめながら放心気味だ。ライフジャケットがあるからちゃんと浮いてる。

放心気味の彩奈を、ボートに押し上げて岸に戻った。

浜辺に着いた彩奈は砂浜に座り込む。

「そんなに怖かったか?」

「怖かった。というか海に落ちてから記憶が飛んでる」

そんなにかっ!

「もう2度と乗らない」

「わかった。サマーベッドで休もう」

彩奈の手を引っ張ってサマーベッドに連れて行った。

「私はしばらく休憩してるから恵と泳いできて」

グロッキー気味の彩奈を休ませ、俺は恵と海にでる。彩奈も少し休めば大丈夫だとは思うが。

「千秋、沖行こう」

恵は沖が好きだなぁ。俺はまた浮き輪を引っ張って沖に出る。足がつかなくなったら、恵の浮き輪の中に入る。お互いに向き合うように。

「ここでキスしたら、みんなにばれるかな?」

まぁ、同じ学校の人間しかいないから目立つな。

「潜ってキスしたらばれないよ」

お前はそんなにキスがしたいのか。OK、じゃキスしようか。

潜ってキスをする。舌は入れられない。溺れちゃうから。

ぷはっ、海面に上がると恵はとても嬉しそうだ。

「海の透明度が高いから水中でもバレるかもな」

だって水の中も丸見えなんだもん。

「うー、じゃあもう我慢する。だけど夜にたくさんキスしてくれる?」

「するよ。でもキスだけでいいの?」

「たくさん愛してくれる?」

「どう愛すればいい?」

「少し強引に押し倒して。獣のように愛して。そして最後は甘えさせて」

なにその漫画みたいな愛し方。

「わかった。気が済むまで愛してやる」

「やったーっ!」

子供かっ。

海から上がり彩奈と合流する。海水浴は夕方まで時間が取られているが、早めに海から上がった。

今は15時だから部屋でイチャイチャできるかな?


シャワーを浴びて着替えた後に彩奈たちの部屋に行く。

夕方まで部屋でまったり過ごすことにした。いや、まったりはしない。

恵の希望通りに愛してあげた。壁に手をつかせて獣のように。

彩奈は、ベッドの上でぐったりとしていたので、優しく愛してあげた。

その後、夕飯を食べ、風呂に入り、昨晩と同じように2人の部屋に行く。

彩奈の気力も回復したので、3人で夜を楽しんだ。


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