11日目 休暇
「王都公認企業となるための条件を達成するため、わが社は週1回の休暇を設定いたしました! これからは週に1日、皆さんにお休みが与えられます」
水晶玉の中で、会議の進行役である本社女幹部のベーリトが誇らしげに宣言した。
会議に参加している全社員の中にざわめきが広がる。
「各支社の責任者は各員にそれぞれ休暇の日を設定し、業務が滞りなく遂行されるように計らってください。どのようなシフトで運行するかの計画書は本日17:00までに提出をお願いします」
コタンが上司のアムラトをみると、無表情で目をつぶっていた。
「休暇だって、すごいですね」
「ちょっとうれしいですよね」
隣の席のムリエラははしゃいでいるように見えた。
しかしその直後、その笑顔は消えることになった。
「大変申し訳ないんだけど、
「えっ、会議でそんなこと言ってましたっけ」
「さっき社長から直接通話かあった」
アムラトの顔はやや辛そうだった。
全自動ネクロマンシーの
「
コタンには言っている内容がよく理解できなかったが、いつも通り言われたことをやればいい、くらいにしか考えなかった。
休暇が消滅したのは残念だった。
ほかの
「今やってる呪文書の方はどうするんですか?」
「そっちはとりあえず保留で。こっちのプロジェクトが第一優先だからって社長の指示だから」
「来週納品なんですが、いいんですか?」
「社長指示だからしょうがないよ……」
じゃあ日々のノルマはひとまず無視でいいのかな? コタンはちょっと気楽になった。
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