23日目 ダミー映像
「今日は
「
企画提案書は王都に提出した。それが採用されるかどうかはともかく、内容を説明するための説明書のようなものが次に必要になるらしい。その中には実際にその
「でも、
「いや、もちろん
コタンの質問に、上司である
「えっ、嘘の映像を撮るってことですか?!」
「まあそういわないで。社長いわく、とらえ方の問題だそうだから」
別にコタンは聖人君子というわけではない。ただ、国の中枢である王都政府を嘘の映像でたばかってしまうことに何の抵抗も示さない自分の会社の最高責任者に、不信感のようなものを一瞬で抱いた。まさかそんな、とコタンは考え直してアムラトに聞いた。
「あっ、ひょっとして、この
「いや、社長が言うには、ガチの戦争中に見えるように
「はあ……」
コタンとアムラト、他数名のスタッフはその日、ぼろぼろの服と赤い染料を買いだし、
「ぐあ~」
死者がよみがえるときはこんな感じだろうか、とコタンは考えながら演技をした。周りの通行人がクスクスと笑いながら通り過ぎていく。
「元気よく生き返ってるところも撮ろう。どういう
剣や鎧は高価すぎて購入許可が下りなかった。支社内にあった板や棒などで武装して何とかやりくりした。ほかの支社も同じように苦労しているんだろうかとコタンは考えた。
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