【人の感情の高まりは操れる!?感情曲線てなんぞや!!】
感情ってあるよな。
みんな基本的に持っているし、それぞれ固有のものみたいに感じているはずだ。
だからさ。
こいつが自分以外の誰かに操られるとかは。
あーんまり考えないよな。
でも。
ぶっちゃけるとそうでもない。
人の感情くらいなら操れもするんだ。
……「そんなバカな」、「いやいやありえない」、「まあ、そうかも」。
などなど、いろんなことを考えてくれていたとしたら。
それはもう私の言葉なんぞに、多少は感情が影響されている証でもある。
反則だけど、「ふーん」って、さらっと読んだりしてもらってもさ。
それはそれで感情移入とも言えるのだ。
共感とか、無視さえも。
私は想定して振る舞うことは可能なわけってことだよ。
じつのところ。
文章ってものは『意味のかたまり』なので、それを読んで理解しようとしているときには感情が動かされている。自動的にね。
『意味』とは、それだけ人の心に訴える力を持ってはいるんだよ。
くくく。
おいおい、なんだよ。
疑ってるな?
見えているぞ、お前の顔が(なんて言ってみるのも演出だな)。
じゃあ、知っている有名な詩とか俳句とかを想像してみるといい。
好きなやつがいいな、素敵なやーつだ。
はい。
いい気持ちになれたかな。
なれなかったとしたら、もっと詩を読むといいぞ……教養もいくらかないと人生つまらんかもしれん。
とにかく。
文字なんぞにすら感情を操られるってことは、よくあるものだ。
『特売!!!』『先着300名限定、50%OFFクーポン』『新発売』。
はい、割りと心がくすぐられなかったかな?
記憶にあるだろー、こういうのに行動まで操られちゃったこと。
あれな、感情を利用されてるんだ。
利益ってのも、喜びだからなー。
それを求める感情を、企画したやーつに操られているのだ。
まるで、悪魔みたいで面白いよな♪
……さて。
本題。
感情曲線って、どういうものかだけど。
感情の高まりをグラフにしたよーなもんだ。
ああ、スマホで検索でもしろ。
はい、出たなー。
先生はずぼらだからグラフを用意したりはしないぞー。
でも、安心。
言葉でも説明できっから。
感情の曲線ってのは、何なのか?
それは『興味の多さ』でしかないんだ。
どれだけその対象に興味を抱いているか、それを合算した数字の変動。
そいつが感情曲線である。
状況に応じて、『興味』ってさ、変わるよな?
1異世界転生しちゃった!?
2偶然にも王女さまを助けたら伝説の勇者認定!?
3そんなの嫌だ……怖いし、オレ、もっと楽して遊びたいんすけど……っ。
4でも、町に魔族が攻めてきて、みんな困っている……。
5このままじゃ、みんな死んでしまうかも……王女さま、オレを信じていたよな……。
6オレには特別なスキルもあるし……戦えなくも、ない、はずなんだよなあ……っ。
7『 』※君が考える展開を想像してごらーん。
流れに応じて『興味』をプラスしたりマイナスしたりしていくわーけだ。
よくあるやつだな。
何をしているかって?
1じゃまず『興味を持ってもらうためにお決まりなことをする』。
共感ってさ、ハチャメチャに変わったことにするかい?
「ふかふかのクマの人形」と「土偶」。
お前たちはどっちに共感するんだ?
フツーはクマちゃんだよな。
なんでか?
身近だからだ。
よくあること、見たことあるもの、そういうものに対してはヒトの心はオートで共感を抱く。
だから同じような物語でも機能するのだ。
身近であることは『それだけで』興味を作ってくれる。
内容はぶっちゃけ、問われないぞ。
2で興味を増す。勇者、セレブなポジだよな。ワクワクしちまう。
3で、1と2で上げた興味に制御をかけている。何でか?はい、休ませてまーす。
集中力は長持ちしないから休ませて、認識してもらっている。
状況を把握するためでもあるな。『オレ』は勇敢ではないやーつだ。その後の葛藤に活かす。臆病さを克服するほどの価値が、戦うことにあるのか、守る者にあるのか。
4からはまた興味を高める。モンスターが襲撃して危険になったら、まあ、興味は湧く。危険である/生命の危機、助けなくちゃ/義務感や優しさ、与えられた運命/勇者なら戦わないとね。
なお。さっきのハナシの出来はどうでもいい(た、ただの例であって本気じゃないんだから……っ)。
感情曲線を考える上で大切なのは、『興味を引けるであろう要素がちゃんと意図したとおりに配置されているか』だけだ。
最初は『なじみ深いネタ』で誘い出し、中盤は『キャラクター描写』で共感を狙い、終盤は『派手』な危機と解決策でまとめようってデザインだ。
全ては、興味の量と質を考えて決めている。
で。
興味って、なんだってハナシになるべきだな。
量と質って言われても、ピンと来んだろう。
うんうん。書いてくぞ。
『興味』の中身は基本的に三種類に分類されるのだ。
1. そもそも好奇心をくすぐられる要素
2. 高度な質
3. 感情移入可能なもの
はい。上から説明していこう。
1.そもそも好奇心をくすぐられる要素。
危険なこと、リスクは楽しくもあるな。
珍しい出来事、『宇宙人の襲来』とか、『転生』とかな。
喜ばしいこともだ、大勝利!!大逆転!!
また、悲劇もここに含まれる。
殺人事件とか、地球の危機とか、余命数か月とかもな。縁起悪いけど、興味は引かれるよな。
あとはスケベなこととか、食事とか、金だ。
『欲望』に直結することは誘導する力を持っている。
だからスマホとかの宣伝広告で欲望に満ちたやーつが流れたりするだろ。
あれ、あほくさいけど、けっきょく有効なんだ。
「子犬」「子猫」「ラーメン」「株価」「進学」「ゴールデンウイーク」……色々と要素はあるよな。
世の中には興味を引かれるべきことがあり、それをクリエイターどもは利用することがあるのだ。悪魔みたいにな♪
2.高度な質。
美しさだ。綺麗な文章は評価も高く、カッコいい絵はそれだけで高く評価される。
洗練された美は、やはり人の興味をくすぐるのだ。
命がけの冒険の果てに冴えない見かけの少女と恋に落ちるよりは、助けたのが美少女でお姫さまである方が悲しいかなワクワクするのだ……。
白馬にまたがった美形な王子様の方がいいだろう?軽トラで駆けつけた53才のおっちゃんに助けられるよりはさ。
それもまた現実なのである。
少なくとも、多くのお客さんを対象とする娯楽のネタとして強さがあるのは美しい方である。
不細工しか出ないマンガよりは、美少女ばっかり出て来るマンガの方が売れやすいだろ。
なお、ここには美徳も含まれる。
献身的な乙女の愛情。
勇敢な男の自己犠牲。
老いてなお夢や目標をあきらめない姿。
死をも越えて貫かれる愛。
カッコいいことや美しいこと、スゲーことってのは魅力的であり、興味を引くんだよ。
3.感情移入可能なもの
身近であるがゆえに共感しやすく、『想像力を利かせやすいもの』である。
共感しやすさ×想像しやすさ、これが感情移入の正体だ。
「ただの日本人学生のオレ」が「異世界に召喚されて特別スキル」を与えられたら、活躍しそうだろう?
共感しやすい対象に、想像しやすいネタをつけているから、感情移入がしやすくなるわけだ。
この感情移入しやすいものについては、基本的に単純なものが好まれる。
単純さをバカにしているわけじゃないぞ?
人って面白いというだけのことさ。
ゲームのマリオが、もしリアルな32才のイタリアのおっさん俳優そのものの姿だったらどうなる?
小太りでひげもじゃ、腹も出ているのに……異様な身体能力でムダに明るくシャウトする……踏みつけたクリボーが体重に押し潰されていくんだぞ。
お前はそんなイタリア野郎に感情移入できるのか?
リアルさとは真逆に位置するデフォルメを利かした単調なキャラクターをしている。
だからこそ、マリオに感情移入しているのだ。
感情移入がどれだけ面白いものかには、ボウリングのボールを考えてもいい。
あれ、何だ?
お前が構えて、レーンに転がすボールのことさ……。
想像しろ、ここボウリング場で、お前は今から投げる。
並んだピンを見つめろ、集中するんだ。
さあ、呼吸を整えて、ボールを放てえええ!!!
ゴロゴロゴロゴロ。
並んだピンに向けて、ゆっくりと進む……。
ああ、いかん。ちょい左に曲がり過ぎたかもっ。
ガーターは、いやだろう……っ。
ストライクがいい……っ。
まっすぐ転がってくれええ……っ!!
♪♪♪
気持ちいい音が鳴って、たくさんのピンが倒れた、ストライクだ!!!
「やったあああああああ!!」
……とかなるだろ。
あれな、ぜーんぶ感情移入。
転がるボールをじっと見つめて、念力まで送ることさえあるのも、ボールにじっと見入ってしまうのも。
ボールが『単調な投影可能なもの』で、『想像しやすい可能性を持った遊び』だから。
感情移入しているのだ。
『共感しやすさ』×『想像しやすさ』だな。
ゲームだったら、パズルゲームの駒だな。
そいつが、その場所に行けば、ぜーんぶそろって消えちまう!!
さあ、ゆっくりとそこに向かう……って、ときは『そいつ』に感情移入しているのさ。
共感し、想像してるから、感情移入は成り立つ。
こういう風に、『興味』ってものは三つの成分の重なりである。
説明した要素どもを、どんどこぶち込んで盛り上がりをデザインしていくんだ。
どのタイミングでどの要素を、どれだけ使うか。
そいつをじーっくりと考えながら組み立てていく。
面白そーな要素、カッコよさや美しさ、感情移入。
そして、それぞれの三つの成分は、実際のところそれなりに計算可能なもんでもあるのさ。
だーから、ゲームでも見世物でも、小説でも何でも、感情曲線を考えながら作るってこともやっている。
興味を持たせる『流れ』をデザインしているのだ。
もちろん。
その内容のデキまでは、まあ、モノ次第であるし、計画したからといって思った通りの反応を得られるとも限らないのも現実なのだ。
創作物の可能性はとても広く、組み合わせも無限大、流行りによってそれぞれの要素に対しての評価も変わってはいく。
つまり、ある程度の計算は可能だが、究極に計算し尽くすことは不可能ってことでもあるな。
とはいえ。
使いこなせばそれなりに有能なツールなのには違いない。
だからこそ、多くのクリエイターたちに感情曲線の形成は使われてもいるのだ。
「盛り上げの法則」みたいなもんだからな。
娯楽には有効なのである!
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