【エジプト産の猫ミイラは30万体以上まとまって発掘!?……ヨーロッパに輸出されて……そ、そんなことに使うなんて!?】
みんなは古代エジプトとか愛してやまないか?
私は割りと好きだな。
ピラミッドとか、ツタンカーメンのゴールドマスクとか、エジプト女王クレオパトラとかキャラ立ちまくりだよなー。
あとは、古代エジプトって言えばミイラだよな!
ツタンカーメンもミイラ状態で発見されたな。
なんで古代エジプトではヒトの死体から内臓抜いて干物にしていたか?
信仰からだな。
死後の世界での永遠の命を信じて。
ヒトの死体を半永久的に保存する処置を施していた。
ミイラにすると、永遠の命が得られる……みたいなことだったよーだ。
内臓とかも捨ててるんじゃなくて、近くの臓器専用のツボんなかに保存していたぞ。
死後の裁きに受かると、永遠の不死者になれたとかファンタジーだよな、古代世界ってば。
ちなみに。
ミイラにされていたのはヒトだけじゃない。
馬とかロバとかハヤブサとか。
色んな動物さんたちもミイラが作られていた。
そんななかに、古代エジプトでは神としても崇められていた聖なる獣。
猫さんたちもいたんだぞ!
猫さんたちのミイラって、一個の都市から30万体ぐらい発掘されている。
……なんか。
コエーよな。
猫さんたちのミイラだけで山が出来そうだわ。
さて。
この猫さんたちのミイラって何に使われていたのか?
セレブの飼ってる猫さんたちは、おそらく死後に埋葬するためにミイラ処理されていたと考えられている。
しかし。
30万体のセレブ・ペットというのは、ちょっと猫さんへのラブが激しい古代エジプトでも多すぎるよな……。
発掘された形としては。
大量に陳列してあったよーだ。
神殿都市であったことから、猫さんたちのミイラは神殿に奉納されていたようだな。
つまり。
おそらく、猫さんたちを大量に繁殖させて。
その猫さんたちをミイラ化して、御神体というかお守りとかにして取引していたと考えられる。
30万体もあるからな。
産業として積極的に繁殖・加工していたと考えられている。
なお。
この猫さんたちのミイラは。
お土産だったんじゃないか?
という説もあるな……。
ほら、猫神殿とかに行くじゃないか?
猫さんのグッズとか欲しくなるだろ?
「はい、猫のミイラ!」
……売店で売っている聖なる獣のミイラとか、ファンタジーなRPGなら買うかもしれんだろ?
リアルじゃなくて、ゲームっぽく考えろ。
神秘が支配する古代世界に現代的な常識なんて通じない。
【猫のミイラ】……運が50アップ!
という認識なら、買うかもしれないだろ?
装備しちゃうかもだな……っ。
そんな認識の古代世界なら、かわいい上に神で聖なる獣の猫さんのミイラは、聖なるお土産として取引されてても不思議ではない。
猫神殿から土産として地元に持って帰り、地元の神殿とかに奉納したのかとしれないし。
あるいは自宅にお守りとしておいていたのかもな。
ご近所さんに、「猫神殿いってきたんすよー。はい、これ、頼まれれてた猫のミイラ!」
って、ノリだったのかもしれんな。
ワケわからんが、30万体以上も大量生産していたんだから、もはや一種の特産品だったのかもしれない。
どーあれ。
現代人では猫のミイラが30万体あったとしても、ちょっともて余す。
ていうか、一個でもハードだな……。
保存状態次第では3000年以上あるわけだから、一族どころか国が絶えるまであるわ……。
絶対に欲しくないよな?
そう考えたのは、19世紀後半のヨーロッパ人たちも同じらしい。
大量に発掘されてしまった猫さんたちのミイラを。
商売人たちはヨーロッパに運んだ。
古くは不老不死の妙薬としてミイラは人気があったしな。
エキゾチックでファンタジーな『魔術』とかのオカルトも人気ではあるわけだから。
売れるとでも踏んでたんだろーな。
だが。
産業革命とかを経ていた近代人には、猫さんたちのミイラなんぞもて余すのだ。
売れんかったよーだな……。
そりゃそーだでもあるけど。
でも、大量の在庫を抱えてしまった。
それから先に起こした行動の理由は残されてはいないが。
処分に困っていたからだろう。
大量の猫さんたちのミイラを粉末にして、肥料と混ぜて畑にまいちまった……。
数千年前の信仰とか?
古代に使われていた薬品の分析とか?
そういうもんの一級品の史料が、死ぬほど劣化したタンパク質の粉として肥料に使われてしまうなんて、もったいないよなー。
まあ。
おそらく有料の倉庫か、下手すりゃ自宅にだ。
大量に猫さんたちのミイラなんぞがあったら、家庭不和のもとだよな……。
離婚されかねんよな、そんなことを父親がしたとすれば。
夜中に一匹ぐらい動くかもしれんしな……。
とにかく。
歴史は沈黙しているため、事情までは分からんが、さっさと処分したかった感は出ているよな。
粉々にして、畑にまいちまうんだから……。
素材的には弱アルカリ性かな。
ミイラって、塩とかも多いかもしれんよな。
んー。
肥料として使えるのかな……。
とにかく。
こうして、古代の遺産が大量に失われてしまったわけだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます