【魚のスゴいコミュニケーション……そ、そんなアホなことしているのかよ!?ていうか、魚のせいで第三次世界大戦になりかけた!?】
ニシンって魚がいるよな?
海系の動物番組で、よくエサとして登場するかわいそうな役回りのお魚さんだ。
カジキマグロとかイルカとかペンギンとか、海の哺乳類なんかにガンガン食べられちゃってるよなー。
もちろん。
人間にとってもエサのひとつだな。
なんというか、あまりクローズアップされることは少ない魚である。
なんせ数が多いから、ありがたがられない。
アホみたいに多いからな。
40キロメートルの幅を持つ、総勢2億5000万匹の群れ。
というのも、まったく珍しくないほどに数が多い。
ガンガン動物に食われても、問題がねえのは、本当に数が多いからだ。
さて。
この自然界のモブであるニシンだが、ヤツらには変な習性がある。
じつはニシンは死ぬほどオナラしているんだよ……。
アホくさいハナシ?
いいや、じつは意外とバカにできない理由を持ってもいたりするから、世の中って不思議すぎる。
まずは、その回数だな。
ニシンどもはハイペースのときは1秒間のうちに、10回ぐらいオナラを出している。
死ぬほど多いな……。
モブのくせに、屁ばっかりこきやがって、サイテーってなるかもしれん。
だが、じつはニシンのオナラはコミュニケーションの方法だったりするぞ。
水中でオナラを発することで、音波が発生するよな。
ブクブク音だ。
お風呂のお湯のなかでタオルに空気あつめて、ブクブクさせたことないか?
水中で泡を作るって、子供の頃は、ちょっと面白いよな!
ニシンは水中で生まれた泡ことオナラから放つ音波に反応している。
音というよりも、水圧の微妙な変化を感じているんだがな。
お魚さんには側線っていう器官があるんだ。
お魚さんの胴体の横にあるんだが、こいつは紫外線を感じたり、繊細な水圧の変化を感知するんだぞ。
ニシンは水中でオナラを放つことで、水圧に微少な変化を生み出して、他のニシンはその変化を側線で感じている。
なんのためにか?
仲間の居場所を察知して、常に群れを成すためだ。
ニシンは銀色だからな。
群れていると、ちょっとしたターンをするだけでも、群れ全体が光を放って、幻惑される。
チカチカ光るから、捕食者が獲物を特定しにくくなるわけだ。
ニシンにとって群れ成すことは有利なんだよ。
だから、あらゆる感覚を動員して、ニシンは常に群れを作ろうとする。
でも。
夜になると視覚に頼りにくくなる。
そーなると、オナラの回数が増えるぞ。
気泡を生んで、水圧変化の信号で、暗闇のなかでもお互いの場所を知るのだ。
……アホみたいだが、ちょっと高性能だよな。
ヤツらはオナラで会話して連携しているんだぞ。
バカにできん。
なお。
このニシンのオナラって、昔、軍事衝突を呼びかけたことがある。
アメリカとソ連が覇権を巡って争っていた冷戦時代に、アメリカ勢力のソナーが水中から音を感知した。
甲高い音であり、そのため最初は金属音だと判断される。
ソ連の潜水艦が接近している、攻撃しなければ!!
……という緊張状態まで呼んだことがある。
実際は、まさかのニシンの群れが放つ膨大なオナラたちの破裂する音が重なったことにより観測された高周波だった……。
あやうく、モブ魚のオナラのせいで第三次世界大戦になるところだったわけだ。
学者が何か変だから自然現象ではないかと予測して、ことなきを得た。
やっぱり、賢いヤツの助言は聞くべきだな。
ちなみに。
群れた魚の鱗がキラキラ光るのは、グアニンという物質のおかげだぞ。
こいつはキラキラ輝いてキレイなんだ。
だから、人工的にも合成されて、シャンプーとかアイシャドーとかにも配合されている。
しかし。
これ、最初に発見されたのは海鳥の糞からだったりする……。
パールエッセンスとかフェイクパールとも呼ばれて、キレーに光るんだけどな。
日本じゃ古くからウグイスのフンを美顔用エステの道具に使ってきたんだが。
こいつにもグアニンが大量に入っているな。
ウグイスは小鳥だからな、腸が短い。
腸が短くてもしっかりと消化できるように、消化酵素をそこそこ大量に分泌しているんだ。
こいつがフンのなかにも混じっている。
だから顔を洗うと、この酵素のおかげで顔の皮膚がちょこっと溶けてツルツルになる。
つまり、石鹸と同じよーな理屈だ。
あれも皮膚がちょっと溶けてるからツルツルなんだよ。
さらに、ウグイスのフンの場合は、グアニンが肌につくから、美白……というか光を反射してくれる成分が肌についた結果としてキラキラして光る。
光って見えるから、お肌が白くなっちゃった気がするわけだ。
魚の群れのキラキラと、化粧品のキラキラて、同じ成分が働いてるぞ。
世の中、意外とせまいよな……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます