第8話 金曜日に合う人

 風花side


〈桜王貴弘(さくらお.たかひろ)樣〉


 私は、名前のプレートを見てなるべく自分の感情を表さないように…その部屋の扉を開けた


 ベットに近づき、感情の無い表情の人…気配を察したのか私を見て


 急に表情に瞳に光りを取り戻して


貴弘「やあ、紗菜(さな)」


 桜王貴弘。…私の…父親…は私を紗菜と呼んでニコッと笑うの…


風花「今日は、貴弘さん…。」


貴弘「こんにちは。紗菜もう少しで良くなるからごめんね」


風花「えぇ…」


 私上手く紗菜になれてる?


貴弘「まったく。ビョーキなんてするんじゃないね?はやく紗菜のごはんが食べたいよ」


風花「もう少しですよ…」


 きっと父は…


 ずっと夢の中に生きる人…


 しばらくすると、疲れたのかフーッと息をするとまた、感情を無くした表情に


風花「また来ます。」


 病室の中にいた看護師に挨拶して扉の外へ


 (…)


ゆな「ふうちゃん大丈夫?」


風花「うん。」


ゆな「…帰ったらさ、コンサートのDVD見よう!」


風花「うん!でも顔出してからね!」


ゆな「そうだね」


不安や、色々な気持ち、大好きなアイドルのDVDを見て心を落ちつかせるの…


 …きっと父親とさっきの看護師さんと、紗菜さん…


 何も考えない



*貴弘said


 「大丈夫私ずっとそばにいます。貴弘さん」


「…」

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