人ごみが嫌いなら「人がゴミのようだ」と思えばいいじゃない
平中なごん
Ⅰ 人ごみ恐怖症
僕は人ごみが嫌いだ。
通勤通学の電車、ラッシュ時のターミナル駅、休日の観光地、スクランブル交差点……すべてが近寄り難い最悪の場所である。
普段は極力近寄ることすら避けているが、やむなく足を向けねばならない時はあまりの人ごみに、まるで悪酒にでも酔ったかのように強い目眩がしてその場に倒れてしまいそうになる。
そこまで人ごみが嫌い…というより、一種、アレルギー的な症状すら持っている僕であるが、ある日、突然にも大転換期を迎えることとなった。
それは、大袈裟ではなく、まさに仏陀が悟りを開いたような、あるいは預言者が天啓を受けたかのような衝撃的瞬間であった。
ことの始まりは、某金曜日夜のロードショーで、某天空に浮かぶ伝説の城を少年少女が探しに行くアニメーション映画をなんとはなしに見ていた時のことである――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます