承認欲求


誰かに自分を知って欲しい…自己存在の証明…


生きてる証


▽オレンジは夢見てるような眼差しで語った。

[いつかどこかで愛を…二人で海とか行っちゃたりしてさ…高原でサンドイッチと持ってピクニックとかよくない?

野球とかも一緒に見に行きたいな]


夢見る眼差しが、現実的な目に戻る。

[ユダは昔どんなだったの?]

尋ねられる。


珈琲を追加注文し、話し始めた。

[小学校の時は釣りが好きでね。海のそばに民宿か釣具屋やりながら毎日釣りします…って何かに書いた記憶があるね]

照れながらも言った…現実を知らないガキの無責任な夢…。


オレンジは笑った。

俺も笑った。


[あとは今を無我夢中で将来なんか考えなかったな]

…本当に考えなかった…考えてなかった。


会社勤めは不向きだった。

[中学は剣道。高校は柔道に夢中で、普通の学生やってた。

高校の時は75円で仕入れたカップ麺を電気ホットを部室に持ち込み200円とかで売ってたな]


楽しかった…あの頃は世界は俺を中心に回ってると信じてた。


現実を知らなかっただけ。

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