私たち! 3人で一つ! それが3姉妹! 〜美少女な3人の三つ子を避けていたらいつの間にか俺に猛アプローチしてくるんですが………〜

GOD9999

プロローグ 「あの日の記憶が蘇る」

「キーンコーン、カーンコーン」


ここは中学校の前。ここを通るといつもあの3年間を思い出す。


「おまたせ〜 直斗〜」


「いつも早いですね〜」


「待ったかなぁ〜?」


あの揃った声が何度も脳の中に響いてくる。あの懐かしくも恨めしい2人の声が。


「ふふ。そういやぁ・・・ あんなこともあったなぁ」


俺は1人で思い出して笑っていた。


「おまたせ〜 直斗〜」


「待ったかなぁ〜?」


現実にもその声の主はいる。聞き飽きたといっても過言ではないこの声。そしてこのフレーズ。それでも俺はこの声に何度助けられたことか・・・ 俺は今幸せだ。


「あれ? 直斗。何か考え事?」


「めずらしいね〜 感心感心」


「ああ。10年前のことを思い出していたんだよ。お前らと初めて会ったあの日をな」


思い出したくなくても記憶に焼き付いてしまっている。


「そういや。もう1人はどうした?」


「もうすぐ来るよ」


「ほら〜 来た来た」


慌てて走ってくる。


「おまたせしました・・・ すいません。遅くなってしまって」


「別に構わないよ」


「今10年前の話をしてたの。あの頃の私は可愛かったなぁ。今でもだけど❤️」


「へぇ〜 あの頃は楽しかったですね」


「あの時はすごく楽しかったですね」


「まあ年をとったってことだね。私は昔も今も変わんないかな」


そんなことはない。環境が変化すると必ず人も変わる。


「そんなことない。お前らは変わったぞ?」


『ふふふ。そういう直斗こそね❤️』


確かに1番変わったのは俺かもしれない。人間なんてすぐに変わっちまうもんだ。


「おたがい・・・ 変わった。でも変わんねえな」


そう。人間関係は変わらない。俺たちはけんかもした。たまには意見も合わない。それでも変わらない。


今願うなら。もう一度。もう一度だけ・・・ あの頃に戻ってみたい。


『私たち! 3人で一つ! それが三つ子!』


あの頃の記憶が蘇る・・・

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