148話 水族館編

弓人くんと山本さんは方向が違うらしく、智と河合さんはまた智が気を回したのか、2人でいたいのか別のルートで帰るようです。…告白のチャンス、ですよね?


「楽しかったね〜!」

告白…いつしよう。今、今したらフラれた時電車で気まずいよな。電車乗って、駅着いて…帰り道で…


「ふーくん…ふーくん大丈夫?」


「え、あ。うん! ごめん、ぼーっとしてた」

何やってんだ、俺。告白のこと考えてさくらを放って置くとかないだろ。


「疲れちゃった? いっぱい遊んだもんね〜」


「そうだな、楽しかった」


「うふふ、よかった〜。今度はゆみりんも来られるといいな〜」


「8人…めっちゃ多いな」


「あはは、そうだね〜! 修学旅行の班別みたいになっちゃうね!」


「大人数で楽しくもあるけど、今日も全員でまわれたってわけじゃないもんな」


「うーん、ゆみりんが美咲さんに会うのは女子会にしようかな〜」


「それも楽しそうだな」


「ふーくんは男子会でしょ?」


「別に普通に遊ぶだけだろ」


「うん、男子会だ! 楽しんで〜」


「男子会ねぇ」



電車の中では、疲れたさくらは寝ちゃってます。こっちに倒れてきて…肩に頭が…なんて胸きゅんはなく、前に頭を下げて寝ています。首痛くなるぞ〜。髪で寝顔も見えないし、まぁ誰にも見られないからいいけど。それにしてもどうやって告白しよう。直接伝えるっては決めてたけど、“好きだ、俺の彼女に”…キザ過ぎる。“好きです、俺と付き合ってください”こういうのが普通なのか? あー、わかんねぇ。ってか、今日でいいのか? 別に特別な日でもないのに。いや、特別な日にフラれて仲悪くなるよりはいいのか。あー、駅着きたくねぇ…。さくらも俺のこと…好きだったりしないかな…。ずっと一緒にいてくれるのは好きだからとか…期待しすぎだよな。うー、あー!! 智ー、助けてくれー!!



「ふーくん起こしてくれてよかった〜」


「あのまま寝過ごすのかと思ったわ」


「楽しかったけど、久しぶりにはしゃいで疲れてたのかな〜」

あー、着いちゃった。今? まだか。いつ言うの? もうちょっと歩いて、まだ家までは歩くし…。って、呑気なこと言ってる場合じゃないよなー。んー、でももう少し…


「ふーくん?? 本当に大丈夫ー?」


「あ、わりぃわりぃ。俺も疲れてんなー」

やっべぇ。何回さくら困らせてんだよ、俺!


「やっぱり辛かった?」


「え?」

ん? 何が? 俺、魚嫌いとか言ったっけ?


「言いたくないんだろうなと思ってたけど、そうかなって思って」


「どういうこと? ごめん、俺マジでわかんない」

なんだなんだ。わからん。さくら何を心配してくれてるんだ?


「ふーくんって…」

…え?

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