133話
「あっついな。もう夏だなー」
「そうだね〜、やだなー」
暑い日差しを浴びて登校中です。
「あれ、さくら夏嫌いだったか?」
「嫌いってまでは行かないけどね〜」
「そっか」
さくら夏はわいわい騒ぐイベントいっぱいで好きなんだと思ってたけど、思い違いか。俺もまだまださくらのことわかってないのか〜。
「暑いのは好きじゃないからね〜」
「あー、わかる。俺、暑いより寒い方がいいな」
「私もそっち派〜」
「寒いのはもう服を重ねて重ねて完全防備すればなんとかなるしな!」
「あはは、ちょっとダサい〜!」
「あははー!」
おぉ、ダサいかー…。
「でも、私が夏で1番嫌なのは〜」
お、何だ?
「心霊番組!!」
「あー、なるほど!」
そういえばさくら心霊系とか、怖いのとかめっちゃ苦手だもんな〜。もし付き合っても、“かわいいからお化け屋敷連れてっちゃお”とか、“面白いから一緒にホラーみよ”とか絶対できないレベルだよな。まぁ付き合ってもいないけど!
「心霊番組は絶対無理! なくなってとまでは言わないけど」
「心霊系は好きな人はめっちゃ好きだもんな〜」
「で、見なきゃいいじゃんて言う人いるじゃん!」
おぉ、ご立腹…。
「おぅ、いる…かも?」
「いるの! そんなん見ないの当たり前じゃん! 何が嫌ってCMなの!!」
「あぁー、なるほど! CMも作り込んでるかー」
「怖いもの好きな人は“え〜、あんなの怖くないじゃ〜ん”とか言うけどさぁ!」
そのさっきから心霊番組に肩持ちまくりの人は誰…?
「怖いもんは怖い! そもそも心霊番組って独特な音楽が怖い!」
「怖いの苦手な人には試練だよな。見たくなくても出てくる」
「そう! バラエティ番組とか楽しんでたのに急にやってくる…」
「そうだよな〜、怖いの苦手だときついな」
「だからね、私提案があるの!」
おぉ、突然…。俺心霊番組の制作者じゃないけどね。
「お、おぉ。何でしょう」
「心霊番組のCMの前には、ってか怖いの全般の前には一回“今から怖い映像が流れます”って言って欲しい!」
「あー、画期的だな!」
「でしょ〜、やってほしい!」
「あ、でも」
「ん? なに?」
「どこからが怖い…何だ? 怖いの基準がないと…」
「…あー! そこ考えてなかったー!」
「あはは、難しいよな〜」
「案を練り直さなきゃ」
「あはは! さくらはどこを目指してるんだか」
「怖いの苦手な人たちの中のヒーロー」
「うん、頑張れ!」
「絶対怖いものに邪魔されない人生送るー!!」
怖いもの苦手な皆さん、強く生きましょう!(作者は怖いものが大の苦手です☆)
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