123話

今日はさくらのことが気になって、何かフワフワして生活してしまった。さくらに告白する勇気はないのに誰かに告白されたら(確証はない)落ち込むとか俺ってダッセェなぁ…。

「…くん、ふーくん! 大丈夫?」

「お、おぉさくら!」

「ん? うふふ、さくらだよ。どうしたのー?」

「いや、ちょっと考え事してたからびっくりした」

「あはは、ふーくんにしては珍しいね〜。大丈夫?」

「おぅ」

「じゃあ、一緒に帰ろ〜」

「おぅ」

よかった、まず第一関門は突破したな…。


「今日ね〜、お弁当に箸入ってなくてびっくりしたの〜」

…いつ聞こう。いつ聞けばいいんだ。

「…」

「ふーくん、ふーくん! 聞いてる?」

「え、あ。ごめん」

「ほんとに大丈夫? 今日ぼーっとしてるね」

さくらにも気づかれてたか…。

「あのさ」

「ん? なに?」

「さくら、彼氏できた?」

ちょ、直球過ぎたか? でも、これが聞きたいことだし。

「なに急に〜、できてないよー」

で、できてない! さくら彼氏できてない!!

「へ、へー。そうか」

「何、ふーくん彼女でもできたの?」

「いや、さくら今日呼び出されてたから。智と告白かー? って話してただけ」

「…あー。なるほど〜」

あれ? なんだ、そのリアクションは…。

「告白はね、されたの。でも、私よく知らない人だったし断ったよ」

うぉ、告白はされたのねー!

「お、おぉ。モテるな〜」

「告白なんてほとんどされたことないよ〜、すっごく緊張したもん! モテ男のふーくんに言われたくなーい!」

「いや、俺だって緊張するって」

「ふーん。で、ふーくんは彼女できたの?」

「できてないわ!」

「ふーん、そっか」

なんだ、そのリアクション。もっと俺に興味持てよ!

「モテ男なのに彼女いない、というか作らないって周りに嫌われそう!」

「いや、好きな子と付き合わなきゃ意味ねぇだろ」

「え、好きな子…いるの?」

やっべ。バレた。うわ、告る?

「…いるよ」

今か…今なのか!

「えー! 知らなかった! 応援する〜!」

…お、応援?

「わぁー、ふーくんもついに恋を。うん、青春だー! 応援するね! わぁ、私も恋したーい!」

「…お、おぉ。ありがと」

応援って…。応援って! ついに恋とか、こっちは何年お前に恋してると思ってんだよ!


…それを言えない俺はチキンなんだろうな。

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