121話
「おはよ〜、ふーくん!」
「おはよ、ってもう昼だろ」
「あ、ほんとだ。えへへ、いつもの癖で〜」
うん、かわいいから許す!
「あはは、ちょっと分かるわ」
「でしょ〜、よーし展示会に向かいますかー!」
「おぅ」
「さくら〜、こっちこっちー!」
「あ、ゆみり〜ん!」
お、ゆみさんとたくが会場前で待ってくれています。会場は公民館ですが…、こういうとこでもやるんだな〜。
「たく、お疲れ様」
「おぅ、これから表彰式」
「マジか、かっこいいな〜。頑張って」
「うん。ただ座って話聞いて、紙もらうだけだけど」
おぉ、たく様さすがっす…。
「たくー、そんな風に言っちゃダメだって! 表彰されるのはすごいことだよ?」
うん、これもまたさすがゆみ様だな。
「そっか、ごめん」
なんでイチャイチャしてるように見えるんだろ…。え、俺だけだったりします?
「たくー、そろそろ行くわよ〜」
お。んー、お母さんかな? 呼んでる。
「はーい」
「あら、お友達? イケメンさんとかわい子ちゃんじゃな〜い!」
「あ、こんにちは」
「こんにちはー!」
イケメンさん…とかわい子ちゃん…。お母さん見る目ありますね。
「うん、友達」
おぉお! たくに友達って言われるとちょっと、いや結構嬉しいな!
「おーい、表彰式行くぞ」
あ、たぶんお父さんだな。
「あ、どうも」
お、こっちに頭下げてる。俺らにかな?
「こんにちはー」
「こんにちは!」
「じゃあ、またお話しましょうね! たくも行きましょう!」
「うん」
きっと、たくはお父さん似だな。
「これがたくの絵!」
「おぉー! すっげぇなぁ」
「うわぁ、綺麗〜」
たくの絵は淡い色の湖のような風景画だった。めっちゃ綺麗だな。
「でしょ〜、たくの絵綺麗だよね!」
「うん! うわぁ、こことか細かいし! たくくんってやっぱりすごいなー!」
さくらの言う通りたくってすごいし…
「俺、やっぱたくの絵好きだな〜」
「私も〜、たくが画家にでも慣れたら史人くんも絵買ってあげてよ」
「おぅ! あぁ〜でも、友達割してくれるかなー…」
「あー、たくの絵高そうだもんね〜」
「お金…貯めよう」
「私も…」
「ゆみりんにはプレゼントしてくれるかもよ?」
「わぁ、私ナイスポジション!」
彼女ポジを絵がもらえるナイスポジションって…。
「じゃあ、他の絵も見に行こうか」
「うん、そうだね!」
「おぅ」
「あっちはー…」
それにしてもすごい絵がたくさんあるなぁ。まぁあいにく俺には語彙力がなくて伝えられないけど。
「あ、いた」
「あれ、たく終わったの〜?」
「うん」
「たく、お疲れ」
「お疲れ様〜」
「お疲れ、あれ? ご両親は?」
「何か、友達だけにしてやれって父さんが。それと昼飯食えってこれ」
父さんかっけぇ…。ってか、1万円!? たく…金持ちだろ。
「えー! 1万円も食べれないよ〜」
さくら…ツッコミどころがズレてるぞ。
「お金悪いから自分で出すよ?」
ゆみさんが正解ですね、はい。
「いい。奢らないと怒られそう」
「…うーん、じゃあお言葉に甘えようかな」
「ありがとう、たくくん! とお父さんとお母さん!」
「ありがとな」
「いいよ、どこ行く?」
「んー、ファミレスとか?」
「そうだね、近くのファミレス〜」
「あっちにあるよね?」
「おぅ、じゃあそこ行こうぜ」
「お腹空いたね」
「うん。式中腹なりそうだった」
「あはは、ならなくて良かったね〜!」
「そういえば、たくの絵めっちゃ良かったよ!」
「私も思った〜、めっちゃ綺麗で…」
皆んなでたくを褒めちぎる楽しい日でした。智も来れればな〜、彼女さんと行ったのかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます