119話

「おはよ! ねぇ、今度展示会行かない?」

「おはよ〜、展示会? 何のー?」

「おはよう」

さくらと登校してすぐゆみさんが展示会に誘ってくれました。…何の?

「たくがね、大会で入賞したんだって!」

「え、おめでとう!!」

「すご、じゃあ絵の展示会?」

「そうなの〜。受賞した作品が飾られるんだけど、もうレベル高いから見てて楽しいと思うんだ〜」

「へー、表彰式とかあんの?」

「うん、でもたくとご家族しか入れないらしいの〜。一人で見てるの寂しいし、行かない?」

「行きたーい!」

「俺も行こうかな、たくの絵好きだし」

「じゃあ行こう! 次の土曜日なんだけど空いてる?」

「私は大丈夫ー! ふーくんは?」

「おぅ、俺も空いてる」

「やったー、楽しみ〜」

「おっはよー、何が楽しみだって〜?」

「お、智」

「智くんおはよう! それがね…」

「そんな大勢で来なくても」

あ、噂をすれば入賞者のたく様です。

「何々、たく発表会でもすんの?」

「たくが絵画、入賞したんだって」

「マジで!? すごくね! おめでとう!」

「あ、ありがと」

ちょっと照れてるな。

「それを土曜日に見に行こうってゆみりんが誘ってくれたんだよ〜」

「うぉー、俺も…。あ、バイトだわー」

「あちゃー、じゃあ来れないね」

「皆んなで行くのは昼だけど、たぶんあそこ21時まで空いてる」

「マジで! じゃあ美咲さんと見に行きまーす!」

「俺たちは帰ってるけどな」

「お互い楽しもうね!」

「おぅ、さくらちゃんやっさしー!」

「何か皆んなに見られるの恥ずかしいけど、嬉しい」

…きっと皆んなこう思ってる。“デレたー”

「じゃあ、土曜日に皆んなで行こうね。あ、智くんは彼女さんと楽しんで」

「はーい!」


たくの絵、楽しみだな。

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